教育年報1958年(S33)-076/83page
の方法であり,読書普及啓発に効果がある。
e 公民館の新設した駐車場管内は一般的にみて読
書意欲は旺盛である。特に専任の公民館主事の配置
されている公民館の読書普及指導は立派である。
f 巡回する時期は地域の実施をよく考慮すること,
特に学校の駐車場の場合は,年度末卒業式等,各種
行事の前後は学校側でも迷惑し,かえって移動図書
館の巡回がマイナスになる場合もある。
移動図書館「あづま」巡回コース
a 県北コース
福島→山木屋→津島→葛尾→移→瀬川→旭→針道→福島
b 県南コース
福島→白河→高野→高城→豊里→下関河内→豊里→
石井→笹原→常豊→鮫川→竹貫→宮本→山橋→山白石
c 県中コース
福島→郡山→月形→中野→三代→福良→赤津→勢至堂
→牧本→湯本→大里→広中→白方→三和→守山→
蓬田→小平→三坂→三坂→夏井→福島
d 浜通コース
福島→飯曾→大館→王野→福田→相馬→苅野→大堀
→大熊→都路→川内→下川内→大久→合戸→平→
山田→川部→田人→上遠野→入遠野→福島
e 会津コース
福島→吾妻→檜原→加納→一ノ木→会津若松→西山
→西方→宮下→沼沢→川口→昭和→本名→横田→
蒲生→只見→朝日→明和→富田→大宮→伊南→大川→
檜枝岐→館岩→田島→福島
県教委管内別移動図書館駐車場
信夫 山木屋 1
伊達 なし 0
安達 針道,戸沢,旭 3
安積 月形,中野,三代,福良,赤津,守山,
三和 7
田村 移,瀬川,都路 3
相馬 玉野,福田,大舘,飯曾 4
双葉 津島,苅野,大堀,葛尾,大熊,大久,
上河内,下河内 8
石城 三坂,合戸,山田,川部,田人,上遠野
入遠野 7
岩瀬 勢至堂,牧本,湯本,大里,広戸,白方 6
石川 山橋,竹貫,宮本,蓬田,小平,鮫川
(西山)山白石 7
東白 高野,高城,豊里,石井,下関河内,
常豊,笹原 7
西白 なし 0
北会 吾妻 1
両沼 横田,本名,川口,沼沢,昭和,宮下,
西方,西山 8
耶麻 一ノ木,加納,檜原 3
南会 舘岩,大川,伊南,大宮,富田,明和,
朝日,只見,蒲生 9
計 74
D 読書会
現在県内に182の地域読書グループがあり,それ
ぞれの立場で活動をつづけるとともに,その活動を
通じて地域文化の上に少からぬ影響を与えている。
県北地区には約50の読書グループがあるが,これ
ら個々の読書会では解決できない難点,たとえばリ
ーダーの養成,読書会相互の励ましあい,研究会の
開催,運営に関する新しい方法の開拓,機関誌の発
行,講師の斡旋などを可能にするために,昭和27年
自主的に福島県読書会県北連合会を結成,お互に手
をつなぎあってはげましあっている。
本年度もこれら読書会の情報交換会を開き,「読
書会のよい点,わるい点」をテーマに活発な意見を
交換した。また,読書指導者講習会を開催して「楽
しい読書会を育てるにはどうしたらよいか」につい
て話合うなど,館外奉仕の一端として読書会の育成,
指導に努めてきた。
読書会をつづけていくためには,社会変化ととも
に,会員自身の質的変化もうまれ,その上会員数の
増減もあって,いろいろな困難につきあたるばあい
が多い。せっかく読書会が生れても,短期間でつぶ
れてしまうばあいも多く,これらを大きくわけてみ
ると,読書および読書会という形式自体がもってい
る矛盾と,その会に集まってくる人たちの間におこ
るいろいろな矛盾とにわけられる。
読書会は読書会員自体の努力のみでなく,その地
域の会員以外の人たちの理解が読書会の発展に大き
な関係をもつているので,これらの人たちによく理
解してもらうチャンスを作り出すよう心がける必要
がある。
3.館内奉仕
A 新館舎に移るまで
図書館法の施行によって図書館の奉仕活動にも
大変革をもたらしたが,保存を主とした古い図書館
から一挙に新しい理想的な奉仕態勢を築きあげるこ
とは当時の県財政面から考えて不可能に近かった。
したがって旧館舎においては旧態依然とした奉仕を
余儀なくされ,職員も少なく,単に図書資料の媒介
をするにとどまり,きわめて低調であったが,社会
情勢の進展にともない,図書館の重要性も認められ,
県内の各界や当事者間においても,近代的図書館建
築の気運が盛りあがり,遂にその要望が実を結び,
昭和32年末着工の運びとなって,10月末竣工をみる
に至った。
新築具体化の見とおしがっくとともに,危険な旧
館舎より元県会議事堂に仮館舎として移転したが,
図書館の機能を果すには,閲覧室,書庫ともに不備