教育年報1959年(S34)-010/121page

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12月7日 午後1時20分より

 場所教育長室

  県教組は,11月27日夕,勤務時間外の安保改訂反対

 統一行動に参加した者の調査について,教職員の処分

 について,その他について質問をした。

  県教委はこれに対し,

a,11月27日夕の安保改訂反対統一行動については,

 市町村教育委員会に対し参加者氏名の報告を求めたこ

 とはない。

b,教職員の処分については,それぞれ違法行為のうた

 がいある問題については,目下調査中である。

  旨答えた。

12月28日 午前11時10分より

 場所教育長室

  当日,会津若松市及び飯坂町で行われた中学校教育

 課程研究協議会妨害及び9・8統一行動等に違法に参

 加した教職員に対する処分が発表された。

  県教組は,本日処分発表を行なうか。撤回とは言わ

 ないが処分の理由とはなにか。早急に教育委員を集め

 て話し合いに応ぜよ。応ぜられない場合には,いかな

 ることがあっても責任はもてない。教育委員が明日集

 っても,われわれは軟禁や監禁の意志はない。すみや

 かに集めるよう強く要求した。

  そこで県教委はそれに応ずることとして,明日,教

 育委員と県教組との話し合いを持つことにした。

12月29日 午後2時13分〜30日午前6時15分

 場所 教育委員会室

  詳細は教育時報第7号に掲載したところであるの

 で,その要点をのべる。

  組合は処分の経緯,内申の方法,処分の理由,有給

 休暇の取消し等について説明を求めた。

  県教委は,それらについて説明したが組合側は,事

 実の認識にくいちがいがあると主張した。そこで県教

 委では,組合側が新らたな資料があるなら文書で提示

 すれば文書で解答すると答え,一応妥結した。

 1月25日 午後1時15分より

 場所 教育委員会室

  県教組は,前の約束どおり,新らたな資料を提示し

 たが,文書で提示したものが1件,口頭のものが1件

 だけであって争議行為に参加した場合の有給休暇取消

 し及び処分の理由等に質問を集中させた。

 午後11時5分県教委側は夕食のため休議を宣して退

 室しようとしたが軟禁状態となった。しかし,ようや

 く退室し,午前0時45分再会となった。

 組合側はさらに処分の理由を問いただしたが,県教

 委側は処分理由書のとおりであることを主張した。組

 合側は依然として,くりかえしに終始した。県教委

 は,再三,前の約束どおり文書で解答することを主張

 したが進渉しないので,26日午前1時27分交渉打切り

 を宣した。

  組合側は入口を封鎖し,軟禁したので,教委側はそ

の不法をなじり脱出しようとしたが進むことができな

いので約1時間15分もそのままの状態ですごすことに

 なった。

  しかし,県教委側は午前2時43分交渉打切りを宣

 し,ようやく終ることになった。

3月10日 午後4時50分より

場所 教育長室

  組合側は

a,へき地との人事交流を円滑に願いたい。

b,組合専従者の現場復帰を円滑に取り計らっていた

だきたい。

c,県教組定期大会出席者を義務免にしていただきた

い。

d,その他4件

を陳情した。

 以上の経過であったが,特に本年度は中学校教育課程

研究協議会阻止行動,9・8統一行動,及びそれに伴う

処分についての交渉がやまをなしていたように見受けら

れた。

F 広報活動

 昭和34年6月変転する教育状勢に応じて,その解説及

びニュースを速報的に県民,特に教育関係者に配布する

こととした。これにより,県下の教育上の諸問題をで

きるだけ正確に迅速に広報することができるようになっ

た。

 従来,県下の教育問題については,県教育委員会の立

場からの広報はほとんど行なわれなく,特に組合との問

題については,組合側の一方的な宣伝に終始した感があ

った。しかし,教育時報の発行によって,県下各学校,

関係機関,その他に配布されることになったから,教育

上の問題についての真相はあまねく伝えることができる

ようになった。

 教育時報は,34年度内に第9号まで発行され,その記

事への信頼はますます高められていった。これは,教育

時報の記事が

 ◎事実をありのままに正確に記述すること。

すなわち,特定のイデオロギーとか,主観的な見

方とか,公式的な考え方などせずに,よくもわるく

もありのままを記述する方針をとった。

 ◎事務局各課の頭脳を集中し,各種の資料,情報,学

説,解説等にについて客観的にして,しかも妥当性

のある記事としたこと。

 単なる感想や推測や,飛躍的であってしかも「…

 …に連る。」とか「……に結びつく。」というような非

論理的な記述は全く排することにした。

 ◎教育上,県民一般,特に教育関係者に直接関係ある

 ものを記述すること。

等の方針によったためと思われる。これにより,従来の

月報,県政広報とともに,一応の広報の態勢を確立する

にいたった。


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