教育年報1959年(S34)-033/121page
あえず,この趣旨を,昭和34年9月15日付教育長通達「
中学校の教育課程に関する移行措置について」により周
知させた。
さらに,「福島県中学校教育課程移行措置要領」を作
成し(34・12・15)その他の資料とあわせ,「中学校の
教育課程に関する移行措置資料」を編集発行し,各学校
が具体的な計画をたてる場合の参考に供した。(34・12
・20発行)
B 昭和34年度北海道・東北地区中学校教育課程研究
協議会について
a,目 的
中学校教育課程の改訂にともない,その改訂趣旨の徹
底をはかり,当面する諸問題について研究協議し,道県
研究協議会における指導者を養成することを目的として
行われた。
b,主 催
文部省 福島県教育委員会
c,会 期
昭和35年10月7日より9日までの3日間
d,会 場
飯坂町立大鳥中学校を会場に予定していたが,研究協
議会の期日が切迫するにつれて,組合側が会場への入場
を阻止する等の妨害活動を行うということがしきりに報
道され,このままでは,混乱が起きることも予想される
情勢となったので,10月6日の午前6時に,飯坂町若喜
旅館に会場を移すことにし,ここで実施した。
e,参加者
北海道東北地区の指導主事,指導的立場にある校長,
教員および国立大学教員養成学部の教官等で,道県中学
校教育課程研究協議会の講師となる予定の者。
各道県の参加者数は次のとおりである。
道県名 予定数 参加者数 北海道 41 14 青森 50 46 秋田 52 52 山形 70 66 岩手 56 55 宮城 70 70 福島 83 83 計 422 386
f,講師
全 般 安達健二(文部省中等教育課長)
国 語 渋谷宗光(〃教科調査官)
社 会 清香幸雄(東京教育大助教授)
平田嘉三(文部省教科調査官)
数 学 大野清四郎( 〃 )
理 科 大橋秀雄( 〃 )
音 楽 花村大( 〃 )
美 術 小池喜雄( 〃 )
保健体育 松田岩男(東京教育大助教授)
山川岩之助(文部省教科調査官)
湯浅謹而( 〃 )
外国語 宍戸良平( 〃 )
道 徳 安藤堯雄(東京教育大教授)
飯田芳郎(文部省教科調査官)
教育課程一般 特別教育活動 学校行事等
徳山正人(文部省中等教育課長補佐)
g,日程と研究協議内容
(1)10月7日(第1日)
開会式に引き続き全体会が行われ,「中学校教育課程
の基本的な考え方について」および,「中学校教育課程
の移行措置について」の講演と質疑応答が行われた。
(2)10月8日(第2日)
10部会(国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健
体育,外国語,道徳教育課程一般,特活・学校行事等)
に分れて,指導書または事例集を資料として講師から講
義があり,その後研究協議が行われた。
(3)10月9日(第3日)
部会に引き続き閉会式が行われ,午前11時に終了した。
h,教組を中心とする労働団体の阻止行動
日教組は,教育課程改訂反対を唱えて,地区協議会に
ついては,じゅうらいも全国各地で阻止行動に出た。
当研究協議会についても,絶対反対を唱えて,年度当
初より十数回におよぶ「申しいれ」ならびに「話合い」
を行ってきたが,9月下旬より,阻止の計画が進められ
ていると,しきりに報道されていた。
はたして, 当研究協議会の期間中,3日間にわたっ
て,連日3〜400名の動員を行い,阻止行動に出て,一
時は最悪の事態を思わせた程であったが,警察官の出動
を見ることなく,拾収できたのは,せめてものさいわい
であった。以下その状況の要点を述べる。
(1) 10月6日
午前9時,参加者全員を10台のバスで,宿舎若喜旅館
に無事送りこんだ。
同時に,会場となる別館正門を木さくで閉鎖,本館玄
関は開放して,報道関係者の出入口とした。
組合は午後1時半より,約300名の動員を行い「代表
3名を旅館内にいれよ。」「別館正門の木さくを除け」と
申し入れてきた。主催者側は,申し入れを聞きがたいこ
とを説明,再三の押問答をくり返す。
(2) 10月7日
午前7時50分から約400名で,激しく面会を要求,主
催者職員をごぼう抜きにした。午後3時過ぎ,組合側
は,玄関ガラス戸の中にふみこみ始めたので,主催者側
は,2分以内に玄関よりの退去を求め,組合側と話合う
用意のあることを告げたので,組合側はいったん行動を