教育年報1959年(S34)-039/121page
(1)一般施設の充実については,現有率10〜70%の範囲
内で施設を利用する生徒が80名以上であること。さらに
その施設に関係する設備を相当数所有している学校を対
象とした。なお,このほか方部別や過去の配分状況等を
勘案し第2表のとおり決定し,事業を進めた。
なお昨年度の実績に鑑み,本年度は事業を早期に開始
したので繰越しは1校のみで,その他の学校は全部完了
することができた。
第2表 昭和34年度高等学産業教育一般施設の課程別割当
課程別 対象課程数 工事面積 備考 坪 農業 7 258 工業 3 145 商業 2 104 家庭 2 70 計 12 577
(2)設備費は昨年度同様,特別設備費と分校設備費であ
る。この配分に当っても昨年度同様,特別設備費は設備
の現有率が高く,その課程が県の中心校として充実して
いる学校を条件とした。また分校設備費については生徒
数や現有施設・設備の状況を勘案して決定した。
(3)中学校産業教育研究指定校については,中学校教育
課程の改訂に伴う技術・家庭科の新設に伴い,本年度よ
り研究指定校の数も例年より多く,25校の割当てを受け
た。なお,指定に当っては,方部別や学校の実態等を勘
案して第3表のとおり指定し,研究と併行して設備の充
実をはかった。
第3表昭和34年度産業教育研究指定校
学校名 研究費 設備費 国庫負担金の
対象となるもの左のほか設備費に
おいて負担するもの円 円 円 福島市立福島第一中学校 35,000 300,000 0 吾妻村立野田中学校 8,000 300,000 42,000 保原町立保原中学校 50,000 300,000 0 霊山町立霊山中学校 0 300,000 0 桑折町立伊達崎中学校 0 300,000 0 二本松市立石井中学校 0 300,000 0 田村町立守山中学校 0 300,000 0 常葉町立常葉中学校 0 300,000 0 大越町立大越中学校 30,000 300,000 0 天栄村立広戸中学校 0 300,000 10,000 白河市立白河第二中学校 0 300,000 0 東村立釜子中学校 5,000 300,000 0 古殿町立宮本中学校 200,000 300,000 0 大東村立阿武隈中学校 0 300,000 0 塙町立塙中学校 20,000 300,000 124,735 田島町立田島中学校 20,000 300,000 91,000 下郷町立江川中学校 50,000 300,000 0 喜多方町立第二中学校 50,000 300,000 100,000 熱海加納村立会北中学校 0 300,000 22,160 会津坂下町立川要中学校 10,000 300,000 0 平市立赤井中学校 50,000 300,000 50,000 磐城市小名浜第二中学校 15,000 300,000 100,000 勿来市立勿来第二中学校 40,000 300,000 200,000 川内村立川内中学校 30,000 300,000 4,700 原町市立太田中学校 12,000 300,000 0 計 625,000 7,500,000 744,625
2,所 見
昭和34年度の実施状況についてその実績を述べた
が,各項目ともにそれぞれ計画どおり実施できたこと
は,本県産業教育振興のためまことに御同慶にたえない。
特に本年度は明年度の中学校教育課程の移行期を控
え,中学校技術・家庭科の施設・設備の充実に各地教委
とも力を注がれたことはまことに感謝にたえない。しか
し県内中学校の施設・設備の状況は中学校生徒の急増を
控えて益々悪くなっており,今後国庫負担金の増額とと
もにさらに各市町村の協力をお願いする次第である。
また,高等学校においても,技術革新に伴う近代化し
た産業教育を推進するためには,昭和26年度制定の基準
ではどうにもならない現状であり,今後これらの改訂を
要望する必要がある。しかし,本県の実態は現在の基準
においてさえ,約40%程度であり,これらの充実が緊急
事である。そのためには,一般設備費の国庫負担金が打
切りになっているので,今後県単独事業による設備充実
等の措置を講ずることが必要である。
D 実験実習費はどのように施行されたか
科学技術教育の振興と父兄負担の軽減という主旨で,
昨年度より全国にさきがけて全課程の理科および産業教
育に関する学科に対して実験実習費を県費で予算化する
ことができた。
本年度の実験実習費は第1表のとおりで,各学科の配
分は第2表のとおりである。