教育年報1959年(S34)-044/121page

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 (所見) 本年度は,学級数がいっきょに14学級増加し

 た。特殊学級の教育に対する関心が高まってさたしょうこ

として,喜びにたえない。

  しかし,設置地域が都市部にかたよっていること。中学

校が小学校にくらべていちじるしくたりないこと。絶対数が

まだまだたりないこと。 (県内の特殊児童数を約2万人と

みれば,少なくとも2千学級が必要である。)など,今後に残

された課題は大きい。

B 開催された研究集会

 a,特殊教育研究集会

  時   34・5・16〜17

  所   須賀川市立須賀川第二小学校

  主催 県教委後援県特殊教育研究会・須賀川市教委

  主題 1)特殊学級の学習指導(特に音楽)

      2)特殊学級経営の諸問題

  講師 東京都立水上小学校教諭 加賀谷哲郎

      県教委事務局指導主事   遠藤伊雄

 b,特殊教育研究集会

  時   35・2・22〜23

  所   会浦若松市立東山小学校

  主催 県特殊教育研究会

  後援 県教委・会津若松市教委

  主題 1)特殊学級の学習指導(各校の実践報告)

      2)特殊児童生徒の親の問題

  講師 全日本精薄弱者育成会 専務理事 仲野好雄

 (所見) 昨年度は教育課程を主題としたが,今年度は

一歩を進め,学習指導の実際問題について研究討議し

た。なお,この主題は来年も継続し,特に表現教科に重

点をおくことを申しあわせた。研究集会を重ねるごとに

内容も充実し,参加者がしだいに自信をもってくるよう

すがうかがえてうれしい。

C まとまった研究集録

 県特殊教育研究会と県手をつなぐ親の会の共同編集に

より,「教師と親子の手記」 (副題-精薄児の生活とそ

の指導-)と題する研究物が作られた。B5版114ぺー

ジ,タイプ印刷のこの研究物には,本県における特殊学

級発足以来10年間にわたる人知れぬ悩みや,成功の喜び

や,将来の希望などが,教師と親とこどもたちによって

語られている。また,特殊学級の育成に協力されてい

る教育・福祉・医療など各方面からの寄稿もはいってお

り,今後,本県の特殊学級教育の振興上,大きな力とな

るものと思われる。

(2)盲聾学校の教育

A研究会等

a,聾教育研究集会

 趣旨 盲聾学校において,主として聾児生徒を担当し

     ている教員の指導力の向上をはかる。

 主催 県教委

 期日 34・7・8

 会場 郡山盲聾学校

 講師 横須賀市立聾学校 講師 若生精一

 主題 聾児童生徒に対する教科指導

     (特に「言語」に関する実地授業技術の研究)

b,第10回東北地区盲嚢学校長・PTA会長連絡協議会

 主催 東北盲聾学校長会

 後援 県教委

 期日 34・10・23〜24

 会場 郡山盲聾学校

B 指導要領(高等部)の作成

 盲学校(高等部)学習指導要領一般編昭(和35年度版)

および聾学校(高等部)学習指導要領一般編(昭和35年

度版)が,それぞれ作成され(35・2・24発行),昭和

35年度における盲学校ならびに聾学校の高等部第1学年

および第2学年から,これにより取り扱う(できるかぎ

り第3学年も同様)よう,文部事務次官の通達(35・2

・20付)があった。

 7 へき地教育

 今年からへき地校に勤務する教員に対して研修費が支

給されるようになったので,これをはじめとして県下三

方部に分けて,県山村情教育研究会を開催した。これは

山村,へき地における小規模学校ならびに複式学級を持

つ学校における経営と指導について研究を行ない,特に

文部省から示された複式学級指導計画例にしたがって,

「効果的な学習をすすめていくにはどのようにすればよ

いか」について実演授業を中心に研究し,併せて,この

地における教育の諸条件をどのようにして改善向上さし

ていくかをはかることを主なる趣旨とした。

 それについて,地元の町・村ならびに教育委員会の絶

大なるご協力を得て多くの収かくをおさめることができ

た。今年の実施状況についてのべる。

(1)中通り方部

A 期日 昭和34年11月10日(火),11月11日(水)の

      2日間


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