教育年報1959年(S34)-045/121page
B 場所 西白河郡西郷村熊倉小学校追原分校,真船分校
C 研究題目
◎小規模学校における生活指導について
◎小規模学校および分校の経営について
◎小規模学校における複式(算数・理科・図工)の学
習指導はどのようにすればよいか。
D 研究内容
a,算 数
複式学級における算数科指導の一方法について,
大波小学校上染屋分校,安斎千氏教諭はじめ,多くの方々が
同題材指導法をどのようにして,教師自身がまず理解
し,それに基いて研究と指導をするということについて
の報告をしている。
なかには,はじめて分校に赴任して複式学級の指導に
当った教師の悩み,「複式指導にはいろいろの問題があ
るが,4月早々手に渡された教科書24冊,指導書17冊,
計41冊, (3,280頁)であり,これを読破するには1日
9頁の読破が必要で,雑務の多い分校教師には並々なら
ぬ若労がある」と訴えている。
b,理 科
分校における理科指導 (特に自然環境の利用) とし
て,安積郡熱海小学校石筵分校,西野重利教諭が,分校
をとりまく,生物のくらし方をこくめいに調査して,学
年の指導系列を季節ごとに分類して指導の系統を立てて
いる。
特にここで作られた理科学習自然環境の「理科学習自
然環境一覧」は立派なものである。
また,追原分校のPTAが那須山系を中心とした植物
の標本を作成して,理科学習における種々の教材を集め
たのも立派なものであった。
c,図 工
表現内容と生活実態について,田村郡二瀬中学校,
横田敬幸教諭が,農山村の中学生の表現能力がきわめて貧
弱であったものを,学年の努力によって表現力が見
違えるようになったと,指導の結果を,説明していた。こ
れなどは立派なものである。
d,分校経営
分校の経営について,西白河郡西郷村,熊倉小学校追原分校,
近藤源一教諭が,分校着任以来すべての情熱を
傾けて分校経営に当った実践をのべられたが,尊いもの
であった。分校経営については,どこにも同じような苦
労がみられるようであるが,追原分校でも子どもを通し
ての父兄教育,分校の独立予算など,種々の目標をうち
立てるまで,一家をあげて分校の経営に当てられたこと
についての発表はきわめて貴重な体験である。
また,田村船引町中山小学校長,加藤文富氏の校長と
しての小規模学校の経営の実践発表もすぐれたもので,
農山村における引込み思案の児童を珠算の指導を通して
自信をつけたことなどはすぐれた指導事例である。
(2)浜通り方部
A 期日 昭和34年11月13(金),14(土)日の2日間
B 場所 双葉郡川内村川内第1小学校毛戸分校
C 研究題目
◎3こ学年複式学級における教育課程はどのようにす
ればよいか。
◎3こ学年複式学級における学習指導はどのようにす
ればよいか。 (算数・社会)
◎分校経営はどのようにすればよいか。
D 研究内容
a,算数
算数複式カリキュラムについて
双葉郡川内第一小学校,毛戸分校 青木幸夫
複式学級算数教育課程と学習指導について
石城郡田人小学校,入旅人分校 但野満
ここでは3こ学年複式学級における指導計画を作成し
ている。2こ学年複式学級の指導は同題材による指導
で,その計画も作られ,それに基いて実践しておられる
が,3こ学年複式学級の指導計画は余りみられない。し
かしここではその計画の作成と,それに基いた実践が行
われた。特に3こ学年複式学級の同題材指導は貴重な研
究で,今後はこの方法によって全県が実践に取りかかれ
るようにされたい。
b,社会
複式学級における社会科カリキュラムについて
双葉郡川内第一小学校,荻分校 大川原洋右
3こ学年複式学級における指導法として,同題材によ
る指導方法を考え,それによった計画例を作り,それに
従って実践した。その結果能力の差はあっても,A年
度,B年度,C年度と区別して案を作って行ったのでお
ちついて学習ができ,3こ学年の児童がいたわりながら
学習をすすめていくことができて,大へん効果があがっ
たとのことである。
(3)会津方部
A 期 日 昭和34年10月13(火),14日(水)の2日
B 場 所 耶麻郡檜原小学校,耶麻熱海小学校
C 研究題目
◎複式における国語指導はどのようにすればよいか。
◎複式における社会指導はどのようにすればよいか。
◎複式における理科指導はどのようにすればよいか。
◎複式による算数指導はどのようにすればよいか。
◎分校の経営はどのようにすればよいか。
D 研究内容
a,国 語
複式学級における国語学習の計画構成について
耶麻郡北塩原村檜原小学校
ここは昭和34年度文部省の実験学校として指定され,
同題材指導について学校をあげて研究した。ここに研究
された内容は,
◎題材設定の形式はどのようにしたか。