教育年報1959年(S34)-072/121page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

§ 6  保健体育

 1 概 要

 昭和34年度においてとりあげるべきものはつぎのもの

と思われる。

A 第10回全国学校保健大会の誘致決定

 本県の学校保健を振興するねらいとして,県内の全学

校が一つの目標に向って努力精進することが最も近道で

あるところから,全国学校保健大会を県内で開催するこ

ととし,

a,学校病の予防を中心とし,各中心校にテーマを分担

して研究をすすめて来た。

b,保健主事連絡会をつくり,相互研鑚を行うとともに

学校保健推進の活動中心となったことは力強い。

B 学校給食の拡充強化

 学校給食が,学校教育の中でどんな位置づけをもって

いるか,この根本的な理解を深めるのに,

a,学校給食普及講演会は非常に大きな役割を果して来

た。県内十数ケ所が自主的に講師を依頼して積極的動き

が見られ,実施校の数も増加すると同時に,完全給食へ

の拡充した学校も増してきた。

b,学校給食学習指導の徹底

 学習指導要領改訂の機運にあるので各校においてそれ

ぞれ学習内容を研究し,全国との資料交換等を行い趣旨

の徹底に努めて来た。

c,パン品質等の改善

 喜んで食えるパンは,楽しい給食の出発であり,最終

目的でもあるので極力検査と指導に努め,その品質向上

を図り効果を収め得た。

C 研究指定校の顕著な成果

 保健も体育もそれぞれ出張単位に研究校を指定し,研

究のセンター的役割と同時に,学習指導のモデルとし

て,地方開発に尽した役割は非常に大きく,その研究物

の内容も高く評価されている。現に日本体育指導者連盟

より,全国の優秀学校として本県の高・中各1校と小学

校2校計4校が表彰をうけたのを見てもわかる。さらに

保健に関しての研究校および協力校は,第10回全国学校

保健大会を迎えてその研究資料の整理にとりかかっている。

D 学校体育学習指導の徹底

 学校指導要領の改訂に伴い県内各小・中学校にその趣

旨をじゅう分に徹底させるため次のことを重点的にとり

あげた。

a,指導者養成講座の開催

1,各出張所単位より,10名の適任者を選んで,(文部

省より松島茂善氏を招き)中央養成を行い,これらの指

導者が,それぞれの出張所に帰って,地方伝達講習会を

行って第一年次を終った。

b,これ等の基幹となる内容は,県内の有能な現場指導

者より,編しゅう長をあげ手引き書を作成したものが,

1,小学校体育指導の手引き

2,中学校保健体育学習指導の手引きである。

c,さらに特殊な内容として,ダンス,水泳,スキーに

ついて実技講習会を実施した。

 水泳実技講習は東北地区からの参加を得文部省・日本

水連と共催で行い,大いに効果をあげた。

E スポーツ五ケ年計画第一年次の実施

 本県スポーツ振興は,何によって,いかなる方法で実

現できるかを明かにし,県民の理解を深め,同時に大き

な協力を得て,この第一年目をスタートしたことは見逃

せない。……ひろいあげるならば……

a,第16回国民体育大会夏季水泳競技を会津若松市にお

いて開催することの誘致に成功したこと。

b,猪苗代―磐梯スキー場がその拡充整備を得て,…

…―躍日本一の第一級ゲレンデとなり・オリンピック選

手の合宿に指定されたこと。世界の名手ザイラーをして

垂涎せしめる立派なものとなったこと。

c,平市の総合グランド計画着工を始め,県内各市町村

において大なり小なりの運動場,又はスポーツセンター

の如き施設計画が進められて来ていることと,

d,指導者の資質向上について

1,青少年スポーツ活動指導者の養成

2,青少年スポー活動リーダーの養成

3,学校体育指導者養成講座

等を行い中央と地方との関連においてその目的達成に努

力して来た。

  2学校保健

A 第8回学校保健研究大会

  7月4・5の両日,喜多方市立第二小学校において開

催した。参加人員約800名,開会式,表彰式・研究発表

講演分科会および分科会結果発表等あり盛会であった。

特別講演「学校病の予防」と題する栗山重信博士の講演

は深い感銘をあたえると共に今後の本県における「学校


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。