教育年報1959年(S34)-075/121page
第3表 教職員一般疾病による休職者実数並びに疾病分
類(小・中・高等学校)
心臓,高血圧症,脳卒中 34 26.8% 消化器病(癌,肝臓疾患を含む) 27 21.3% 精神病 (ノイローゼ,分裂症を含む) 22 17.3% その他 44 34.6% 計 127 100%
この精神神経症等に関する対策は県教育委員会に於て
も来年度より精神病専門家による復職審査会を結核審査
会と同様諮問機関を設置する運びとなっている。何故な
ら現に今年度に於て2,3のこの種疾病の再発例をみて
いる為でもあり,又この疾病は結核と同様長期休養を要
する為にも必要であると思慮されるからである。一般国
民の殊に文明が高度に進展すればする程精神疾病が増加
するのは世界的動向である。
E 定期健康診断による管理状況
教職員結核有所見者は表4に示す如く昨年度の7.35名
に対し僅かに3名の減少を見るに過ぎない。これは毎年
定期健診によりピックアップされる教職員数が略一定し
ている事を示している。今後は此処にあげられた数を本
県の結核固定数として検討して行き,その減少により結
核の動向を知る事が出来るのではあるまいか。
全教職員数に対してのこの有所見者の百分率は4.14%
であり,全国平均の5.4%に比較し本県に於ては約1%
の低下を示している。
第4表 教職員結核有所見者数(昭和34年度)
区分\校別 小学校 中学校 高等学校 合計 計 百分率 男 女 男 女 男 女 男 女 % A〜1 4 6 4 0 0 1 8 7 15 2.0 B〜1 22 6 24 3 13 1 59 10 69 9.4 B〜2 45 17 25 3 21 2 91 22 113 15.4 C〜2 184 82 126 15 119 9 429 106 535 73.2 合計 255 111 179 21 153 13 587 145 732 100
第5表年次別定期身体検査による有所見者率
区分\年度 28 29 30 31 32 33 34 % % % % % % % 要休養者 1.17 0.70 0.57 0.43 0.36 0.29 0.17 要軽業要医療者 0.90 1.80 1.36 0.50 0.50 0.57 0.77 要注意者 1.19 0.85 1.80 5.10 4.21 4.34 3.20 計 3.26 3.35 3.73 6.03 5.07 5.20 4.14
なお,第5表は年次別にこれを見た場合である。漸次
有所見者率が減少しつつある事を示す。
F 昭和34年度結核審査会件数
毎月1回県教委事務局に於て開催し,前述の結核等審
査会委員に問題となるべき復職,新規採用および休職に
就て諮問し万全を期している。なお,その判定百分率と
審査件数は第6表に示す如くである。復職,新規採用不
可は未だ臨床所見ならびに胸部X線写真および経過等よ
り診て全治と考えられるものならびに再発の恐れあるも
のおよび療養期間の短いもの等に対してこの判定を下し
ている。
第6表昭和34年度結核審査会件数
回数\年月日\区分 復職 新規採用及
び定期検診合計 小学校 中学校 高等学校 1 昭34,4,22 3 3 0 1 7 2 〃 5,27 1 1 2 0 4 3 〃 7,21 3 1 3 0 7 4 〃 8,27 6 2 1 1 10 5 〃 9,30 3 1 3 0 7 6 〃 10,28 1 1 3 0 5 7 〃 11,26 1 3 4 1 9 8 〃 12,18 3 0 1 6 10 9 昭35,1,29 0 0 1 9 10 10 〃 2,26 14 5 5 3 27 11 〃 3,17 10 8 8 3 29 計 45 25 31 24 125
〔判定百分率〕
司 57.6%
不可 29.6%
保笛 2.4%
指示変更その他 10.4%
例年のことながら,教員定期移動近くの時期になると
審査件数が増加するのがうかがえる。
G 結核教職員面接指導実施状況
昭和34年度結核教職員面接指導は前年度に比し,対照
人員が少くなっている。これには種々の原因があると思
われるが各出張所より胸部X線写真の県教委宛送付が甚
だおそくなっているので判定がそれにつれて遅れる為に
面接指導人員の撰定が出来ぬままに行なわれる欠陥が
ある。今後はこの打開策を考慮し現場教職員が鶴首して
待つ早急な結果判定通知を送り療養や注意を喚起し結核
管理を理想的にもって行きたい。その意味に於て今年度
に於ける面接指導対照人員は115名とし主に,B〜2,
C〜2を該当せしめた。 (但し,石城,県南地区はフィ
ルム送付なき為除外した)