教育年報1959年(S34)-077/121page
C 水泳指導者講習会
改訂学習指導要領における小学校,中学校の水泳の取
扱いについて,理論と実技の両面から研究するととも
に,初心者の段階的指導,各種泳法,水難救助等の指導
技術を身につけた指導者の養成をはかった。
a,主催 文部省,日本水泳連盟,福島県教育委員会事
務局,福島県水泳連盟
b,参加範囲 北海道,青森,岩手,秋田,宮城,山形
福島,新潟
c,会場 会津若松市営プール
d,期日 7月101コ・11日・12日
e,参加者 小中学校教員 150名
f,講師
文部省事務官 串田正夫氏
日本海洋協会理事 日本水泳連盟理事 谷川禎治郎氏
東京教育大学教授 鶴岡英吉氏
四倉高校教諭 渡辺邦友氏
県水泳連盟理事 梶川孝義氏
同上 高橋一郎氏
g,内容
(1)講義
○小・中学校改訂指導要領について
○小・中学校水泳の取扱いについて
○水泳管理
○初心者の指導法
(2)実技
○学年別水泳の指導の実際
○標準泳去
○救助法
○初心者の指導
(3)研究協議
○事故防止対策について
○水泳指導計画について
○クラブ活動と対外競技について
水泳の理論と実技は平易で分りやすく,特に初心者の
指導法は有意義であった。また,海洋の知識は一般に無
知でかつ関心が薄かったが,啓発させられるところ極め
て大きいものがあった。
D 研究指定校成果発表(昭和33・34年度)
昭和33年・34年度にわたる2ケ年の研究のまとめを8
校がその努力の結果をまとめ,発表会を行った。改訂指
導要領発表の年に指定校として研究にのりだしたが,研
究テーマをどのようにして手始め, どこに目標をおい
て,どんな研究態勢を整え,地域の学校にはどんな協力
を得て進めるかについては各学校とも非常な苦心が払わ
れた。 しかし, いずれの学校においても真剣そのもの
で,常に学校教育全体の立場から,体育科教育の向上に
鋭意精進されたため,第2年目の成果発表までには幾多
のセンターとしての役割を果したことは本県体育科教育
に多大なる貢献をなした。
a,共通テーマ
(1)保健体育の指導と,道徳教育との関連をどのように
してゆくか。
(2)児童生徒の発達段階に応じた到達目標をどのように
設定したらよいか。
b,各学校のテーマと発表
(1)石城郡好間村立好間第一小学校
○学年別基礎能力と向上への具体的方策
○校内における保健活動のありかた
○発表会 7月14日
(2)耶麻郡猪苗代町立吾妻第一小学校
○環境を克服しての体育指導
○保健体育の一体的指導
○発達段階に応じたスキーの指導
○発表会 10月5日
(3)郡山市立芳山小学校
○巧技(跳箱・鉄棒)指導をどのようにするか。
○発表会 10月12日
(4)平市立草野小学校
○徒手体操の系統的指導法
○発達段階に応じた集団行動の様式と指導
○系統的指導と到達目標の設定
○農村地区における保健管理
○発表会 10月15日
(5)白河市立白河第一小学校
○体育諸能力の実態に立った指導とその到達目標へのは
ぐくみ
○発育と栄養はどうなっているか。
○発表会 10月17日
(6)相馬市立中村第二小学校
○望ましい性格行動をめざす体育指導
○発表会 11月5日
(7)田村郡滝根町立滝根中学校
○運動能力をいかにして向上させるか。
○発表会 9月26日
(8)東白川郡棚倉町立近津中学校
○器械運動ダンスの系統的指導法
○発表会 10月24日
E 研究指定校中間発表
1出張所1校の研究学校を設置して,各管内の体育科
教育の向上を推進するため,前項の8校の外に昭和34年
・35年にわたる研究校を設置した。これらの学校では第
1年目であるので,中間発表の形で一応の研究の緒を公
開し,地方のセンターとしての責務を果しつつある。
a,、共通研究テーマ
(1)グループ学習は,どのようにすればよいか。
(2)体育における保健指導はどのようにすればよいか。
b,各学校のテーマと中間発表
(1)伊達郡保原町立大田小学校
○体育における児童の意欲的な活動を増すにはどうした