教育年報1959年(S34)-079/121page
重要な時期であった。学校体育では,改訂指導要領の
趣旨および教材の取扱いかたに全力を傾けてこれが徹底
につとめた。各出張所ごとの伝達講習会,自主的団体に
よる研究会,講習会,研究指定校を中心とした集会等に
おいてこれが解明に当った。
文部省主催による小学校,中学校の教育課程研究協議
会受講の後,県内を数ブロックにして伝達した。主管は
学校教育課ではあったが, 体育については,現場の声
を集収整理し,近く解答を附して発刊することになって
いる。これによって共通の問題を数多く見ることができた。
J 学校体育実技講習会(文部省実技講習伝達)
文部省では,3ヶ年計画で実技講習会開催を計画し,
小学校は秋田で,中学校は仙台で東北,北海道を1ブロ
ックとして行なわれたので,これが伝達講習会を開催した。
a,期日 昭和35年1月9日・10日
b,会場 若松市立若松第二中学校
c,種目 徒手体操,器械運動,球技,格技,リズム
d,講師 文部省主催の実技講習会受講者の中から委嘱
e,参加者 110名
時期が冬季のうえ,第三学期の早々であったが,参会
者は極めて熱心に,かつ指導は取扱いの要点を捉えて懇
切であった。
K スキー実技講習会
小学校および中学校の学習指導要領の改訂にともな
い,特にスキーの指導能力を高め,もって教職員の資質
の向上をはかることをねらいとして実施した。
a,期日 昭年35年2月2日・3日・4日
b,会場 猪苗代町沼尻スキー場
c,内容
(1)学習指導要領のうち,スキーの指導法
(2)冬期体育の計画と運営
(3)スキー実技練習
d,参加者 学校スキーの指導的立場にある関係教員
70名
e,講師 保健体育課指導主事 鈴木善兵衛氏
福島大学学芸学部教授 菊池哲男氏
同上 助教授 鈴木勝衛氏
本県は積雪地帯が多く,冬期の体育指導は重要な問題
である。とかくすると,施設・設備(特に体育館)の不
じゅうぶんを理由に,適当になりがちである。この観点
より冬期の指導計画を検討し,研究して効果的な方法を
考えて実施しなければならない。この意味において,本
講習会は有効なものであった。積雪地方における雪の利
用,雪面の活用, 遊びの指導からスキーの実技練習に
より冬期学校体育を進めていくことは極めて重要なこと
で,今後も毎年継続して行いたい。
5 学校給食
本県の学校給食はここ,2,3年の間に逐次普及面に,
また実施面において充実されてきた。特に最近は農村
普及事業の実施により,農村部における完全給食開設の
熱が高まりつつあることは,まことに喜ばしい現象である。
ここに昭和35年度における学校給食関係の事業内容の
概要をふりかえり,今後の本県の学校給食の推進の参考
に資したい。
A 第三回県学校給食振興大会の開催
本年度第三回の標記大会は郡山市地区関係の多大な協
力により,例年にない約500名の多くの参加者をえて開
催された。その概要は次のとおりである。
a,主催 福島県教育委員会事務局
財団法人福島県学校給食会
郡山市教育委員会
b,協賛 福島県食生活改善連絡協議会
福島県パン協同組合
c,期日 昭和34年10月18日 (日)
d,会場 郡山市立金透小学校
e,特別講演
演題「学校給食の諸問題について」
講師 文部省体育局学校給食課長 平間修先生
f,分科会
(1)第一分科会「学校給食の普及啓蒙はいかにしたらよ
いか」
○助言者 勿来市立川部中学校長 門馬政雄
○司会者 安積郡安積町立安積中学校長 渡辺朋孝
○研究発表者
「わが校でとった完全給食への啓蒙方法について」
白河市立五箇小学校教諭 鈴木喜太郎
(2)第二分科会「学校給食施設・設備の整備充実はいか
にしたらよいか」
○助言者 須賀川市立須賀川第二小学校長 塚原央
○司会者 安積郡熱海小学校長 箭内政利
○研究発表者
「本校における施設・設備の実際と今後の計画につい
て」 須賀川市立須賀川第二小学校教諭 柳沼正
(3)第三分科会「今後の学校給食の指導はどのような点
に留意したらよいか」
○助言者 平市立平第二小学校長 湯山啓二
○司会者 郡山市立薫小学校長 平栗十三二
〇研究発表者「学校給食指導上の留意点について」
福島市立福島第二小学校教諭 菅野武彦
g,全体協議
(1)議長 郡山市立小原田小学校長 添田政衛
(2)提出議題
○学校給食実施校に義務教育国庫負担法に基く栄養管理
職員を設置するようその筋に要望するの件