教育年報1959年(S34)-093/121page
た。
“生活の記録”用紙は,横に生活をラジオ・テレビ,
映画,読書,手伝い,勉強,うちの遊び,そとの遊び,
その他の6つに分けて記し,縦は午前5時から午後12時
までを30分刻みに目盛ったものである。
記入方法は生活の該当個所に, それを始めた時刻か
ら,終った時刻までの時間を捧線で表わし,時刻と時間
とが明確に記されるようにした。
C,調査の結果
結果の処理には,2回の生活記録で各学校とも正常と
見做されるものを選び, これについて地域単位に(1)そ
れぞれの生活内容に記録した児童数の全児童数に対する
比率。(2)生活内容に記録した児童の平均時間・中央値
とをもって,その生活内容の状況を表わすことにした。
なお,ラジオ・テレビ,読書の分類規準によった各分類
項目の比率は,2回分を平均したものである。
3表 地域別生活内容の人数比・時間量
地域類型\項目 起床時刻 就寝時間 ラジオ・テレビ 映画 読書 比率 時間 比率 時間 比率 時間 平均値 中位値 平均値 中位値 平均値 中位値 市 街 6.11 8.40 70.2 1.00 50 2.0 3.20 3.20 74.7 48 40 農 業 5.45 8.44 72.7 1.00 55 1.9 2.39 2.58 70.0 45 35 山 村 5.45 8.54 51.7 45 20 ― ― ― 68.0 43 30 鉱 業 5.44 8.20 59.6 52 45 0.6 55 55 82.5 47 45 県平均 5.58 8.44 68.9 58 50 1.7 2.55 3.00 72.5 46 40 地域類型\項目 手伝い 勉強 うちの遊び そとの遊び 比率 時間 比率 時間 比率 時間 比率 時間 平均値 中位値 平均値 中位値 平均値 中位値 平均値 中位値 市 街 92.6 1.16 1.00 82.8 1.10 1.00 47.3 48 30 63.9 1.08 55 農 業 96.1 1.32 1.25 76.4 58 45 49.3 44 30 67.3 1.03 1.00 山 村 99.5 1.57 1.48 61.6 38 30 38.9 41 30 50.2 47 40 鉱 業 95.8 1.16 1.05 62.7 55 40 40.4 40 30 59.0 49 45 県 平 均 95.1 1.27 1.15 76.6 1.10 45 47.0 45 30 63.9 1.03 55
a,手伝い
山村のほとんどすべての児童が約2時間の手伝いを,
次いで農村,鉱業がともに96%で,その時間はそれぞれ
1時間32分,1時間16分,市街は比率・時間とも少なく
93%, 1時間16分となっている。
b,勉強
勉強は手広とは逆で, 市街の児童の83%が1時間10
分であるのに,山村では62%のものが38分勉強してい
るに過ぎない。農業,鉱業とでは76%,58分,63%,
55分で農業の方が比率,時間ともに多い。
c,読書
山村が68%,43分でともに低く,比率では鉱業の83
%,時間では市街の48分がもっとも多い。
読書の内容では次の分類規準によると第4表のように
なる。
A:知識・情報を得るための読書
新聞,娯楽的な性格の少ない科学的な読みもの,学習
のための参考書など。
B:教養,娯楽のための読書
物語,童話などの読みもの,文学的な読みもの,修養
をねらいとした読みもの,たのしみ読み(娯楽的な読
みもの)など。
C:雑 誌
小学六年生,少女,りぼんなど。
D:漫画
E:その他
4表 分類別読者数の読者総数に対する百分比
地域類型\分類記号 A B C D E 市街地域 25.2 18.5 28.3 60.3 3.8 農業地域 29.1 16.0 34.0 54.3 4.8 山村地域 14.8 14.8 28.8 64.6 0.8 鉱業地域 22.6 14.3 38.0 59.0 2.6 平 均 25.9 16.7 31.9 57.8 3.9
d,ラジオ・テレビ
農業がもっとも多く(73%・1時間),次いで市街,
鉱業と続き,山村の52%・45分がもっとも少ない。
内容的な面については,次の分類規準では5表のよう
になる。
A:ニュース