教育年報1960年(S35)-025/135page

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§4学校教育

  1教職員の人事

A 小中学校

a,年度末人事異動の概要

 昭和35年度末人事異動に当っては,市町村教育委員会

をはじめ関係各方面の協力のもとに,県下全域にわたり

教職員の適正配置をはかり,もって教育能率向上と刷新

充実を期するため努力を傾けた次第である。まず異動件

数は小中を合せて約3,746件に上ったが,その内容の主

なるものをあげると,

(1)異動の範囲は教育行政上の効果を重視して,必要最

 少限度に止めるように努力した。

(2)へき地とへき地外との交流については今年から特に

 計画的に進め,その数は675名におよんでいる。

(3)都市と農村との交流については,725名に達し昨年

 度を上廻る数に上っており,さらに永年勤続者につい

 ては中小合わせて826名の交流を行い,各校の教職員

 組織の適正化をはかった次第である。

(4)小学校児童数の自然減にともなう小学校教員の定数

 減により,小学校教員約360名を中学校に配置替えを

 余儀なくされたが,これが実施に当っては学校運営等

 に支障をきたさぬよう充分に慎重を期した次第である

(5)新採用については,中学校生徒の自然増に伴い413

 名の定数増もあって,小中合わせて約640名の多数の

 新採用をみることができて,教育界に清新の気を与え

 たものと信ずる。

(6)本年度末退職された方々の数は校長を含め241名で

 あるが,これらの方々が多年にわたり,本県教育界に

 貢献された御功績に対し,深甚なる敬意と感謝とを捧

 げる次第である。

b,新採用について

 今年度本県教員採用志願者数は,大学新卒者および一

般採用志願者をあわせると小学校298名,中学校811名

の多きに達した。新採用にあたっては,前年度同様厳選

主義をとり,適格者を得る方針のもとに,身体的諸条件

の審査,筆答試験,第一次,第二次面接を実施して,真

に有能適格者を得るよう努力した次第である。

 特に今年度においては,人物の厳選に相当努力を傾け

,志願者全員に一般教養,教職教養,専門教科について

試問し,その結果により人物,健康等について面接選こ

うし,優秀者を選出したのである。なお,小学校教員志

願者に対しては,全員にピアノの実技審査を課したこと

と,中学校教員志願者中,図工,音楽,体育,家庭の各

科希望者に実技審査を課したことは,新採用方針の実現

のために当を得た措置であると思われる。

 新採用者の配置については,県下全域の教員組織の均

等と,将来の広域人事の円滑を期する観点から,出身郡

外の地域に採用することを原則とするとともに,都市,

農村,へき地と全域にわたり配置したところである。男

子新卒者を女子新卒者より優先的に採用したいという各

市町村教育委員会の全般的な傾向が,だんだん改められ

本年度は女子新卒者も相当多数採用されたことは喜ばし

いことである。今後さらに採用にあたっては男女の差を

なくしてほしいと希望するものである。

 また新年度補充教員として相当期間教職経験をもった

者を前年度同様,優先的に採用した。さらに本年度から

身体障害者であっても教員として適格者であれば法によ

って採用しなければならないように規定されたことは特

色の一つである。

c,校長の新採用について

 本年度の校長採用志願者数は413名で,昨年度より5

名減となっているが,新校長として抜てき採用されたも

のは小学校34名,中学校16名で昨年の53名の新採用者と

比較すると3名の減である。

 なお50名の新採用校長中高等学校から1名ではあるが

抜てき採用をみたことは,小中高の教育上の関連よりみ

て,望ましい人事であった。

 校長の新採用については資格,入物,実務,健康,家

庭環境等について綿密に選こうし,有能適格者を抜てき

するという方針のもとに,また採用にあたっては,その

地域に居住し,校長職に専念できるものを第一義とし,

なるべく他管内に採用し,もって県下全域にわたって教

育の能率向上と刷新充実をはかるよう努めた。

 選こうにあたっては,校長新採用者全員に対して,各

出張所管内ごとに同一問題について,同日,同時刻に県

下一斉に筆答試問を実施し,有能適格者の選こう抜てき

に努めた。筆答試問の内容は,校長としての適格性と,

学校経営上基本的に必要な問題を課し,校長職としての

理解と判断と能力を評価することに努めた次第である。

d,教頭の採用について

 教頭の新採用については,その職務の重要性にかんが

み,校長と同様慎重を期した次第である。特に本年度か

らは教頭は校長と同様管理職であるという立場から,有

能適格者を得るように努め,もって県下全域にわたる教

育の向上と刷新充実に努力した次第である。

e,交流について

 校長の交流については,校長職の重要性を特に考慮し

全体的立場から適材を適所に配置し,刷新充実を期する

意味をもって,広域にわたって行うよう配慮した。

 教頭の交流についても校長に準じて行うよう努めた。

 教職員にについては,都市と農村,へき地と平地,他

管内,学校種別間の交流を推進し,教育能率の増大を図



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