教育年報1960年(S35)-077/135page

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§6 保健体育課

 1概 説

 スポーツの振興と安全管理の徹底につとめることは,

保健体育課の35年度における大きな目あてであった。

 特に本年度は学校薬剤師の設置準備期として重要な年

であり,学校保健を一そう振興するため,第10回の全国

学校保健研究大会を平市で開催し県内における小中高校

うって一丸となり学校病の予防に努力し着々その成果を

見ることができた。

 オリンピック東京大会が決定し, スポーツの振興に

は,学校,事業場を問わず県民をあげてその振興に県内

の全分野から協力を得る必要が感ぜられる。この点第16

回国民大育大会夏季大会水泳競技を36年に会津若松市に

おいて開催することとなり準備を進めて来た意義も大き

なものがあった。

 学校体育においては高等学校保健体育科指導要領が改

訂され,ここに小中高校の体育に一貫性と系統をもった

指導内容が基本線が示されたのである。これらのものを

根幹として各地において伝達講習等を行い学徒の基礎体

力の向上にも大いに努めた。

 一般勤労青少年のスポーツ活動については,その組織

や指導の面でまだまだ満足すべき現状ではないが,体育

指導委員の活躍はかようやく芽をふき出し,モデル市町

村を中心に各出張所単位に研修会連絡会を開催したこと

は一つの軌道に乗ったものといえる。

 学校給食の普及は実に飛躍的数字を示した。給食関係

物資の値上りは種々世間の話題をよび,前途多難を思わ

せたが,各学校における給食教育に対する関心と理解

は非常に高まって来たことはこの数によっても明かであ

る。

 総じて全国的なスポーツに対するムーブメントの活■

化と生活の基盤としての保健教育の充実の面から見て,

今年はまさに,今後の本県保健体育振興に突進する強力

な飛躍台となった年であるといってよい。

  2学校保健

A 第10回全国学校保健大会

 大会前日の14日には,全体運営委員会,分科会運営委員会,

日本学校保健会評議員会が開かれ,大会は10月15

・16・17日の3日間にわたり,福島県立磐城女子高等学校体育館

外11会場において開催した。

B 学校保健講習会

 参加人員全国各県約1,750名,県内約850名開会式,

表彰式,全体協議会,分科会,班別協議会,特別講演,

展示会,教育視察,観光およびレクリェーション等あ

り,内容の充実規模の雄大共に本大会開催以来の盛会で

あった。

a,開会式

 15日午前9時から大会委員長の力強い開式宣言により

下記の式次第でおこなわれた。

 式次第

(1)開会宣言 大会委員長 佐藤光
(2)君が代斉唱 (指揮者) 国井正武
(3)開会のことば 大会会長栗 山重信
(4)あいさつ 文部大臣(代理) 大坪保雄
福島県教育委員長 足立俊雄
(5)祝 辞 福島県知事(代理) 持倉恭一
石城地方市町村協議会長 諸橋久太郎
(6)閉会宣言 大会委員長 佐藤光

b,表彰式

 開会式にひきつづいておこなわれた。昭和35年度学校

保健表彰を受けたものは,校長6人,保健主事6人,学

校医19人,学校歯科医12人,学校薬剤師3人,養護教諭

4人,計50人と,団体の部で3団体である。表彰者を代

表して,福島県会津若松市立大戸小学校医小川要三氏が

表彰者を代表して表彰状を受け,文部大臣代理大坪保雄

より祝辞があり,小川要三氏より謝辞があって満場拍手

のうちに終了した。

c,全体協議会

 全体協議会は福島県立磐城女子高等学校体育館で15日

と16日の二回おこなわれ前日は議題の討議,後日は各分

科会での報告があり,大要下記のとおりである。

(1)議長団

 広島県学校保健会長     皆川尚常

 青森県学校保健会長     渡辺金次郎

 福島県学校保健協会長   中尾秀雄

(2)協議事項

1) 来年度の開催県は青森に決定

2) 全体協議にはいる前に文部省体育局長杉江清氏が,

「学校保健の課題について」と題し,国の考えている学

校保健対策を述べ,これらについて,本大会で充分研究論

されるよう要望があった。

3) 研究協議事項

◎学校保健,学校安全の充実強化のため,医療費,

安全会予算等,国庫補助金の増額を要望するの件。

・準保護児童,生徒に対する医療費補助を,要保護児童,

生徒と同様になるよう引上げを要望する。

・要保護,準要保護児童,生徒医療費について,

 国庫補助額ならびに実施手続きの簡素化を要望する。



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