教育年報1960年(S35)-098/135page

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年も県統計課に協力し,文部省の説明会や統計課との研

究打合せ,県内説明会への出席など,秘書室や学校教育

課と共に積極的に協力した調査である。

 当所は,この調査結果から,集計,分析,年次系列な

どの統計処理を行い,「学校統計要覧」を編集刊行し教

育行政施策の資料とした。

j 表 彰

 昭和34年度調査統計の功績者として35年度において文

部大臣表彰を受けたものは下記のとおりである。

(1) 学校教員需給調査

 会津高等学校

 郡山第二中学校

 喜多方第二中学校

(2) 地方教育財政調査

 保原町教育委員会

 飯坂小学校

 四倉小学校

 石井小学校

 3教育研究

A 診断的性格を帯びた福島県で標準化した学力検査問


a,学力検査問題の作成

 3カ年計画で昭和34年度に完成した上記の学力検査問

題は,指導要領の改訂に即して,問題内容を改訂し,現

場の要請に応ずることにした。したがって,昭和35年度

で移行措置が完成し,36年度から新指導要領によって学

習指導が実施される小学校を対象とし,比較的新しい34

年度に作成した問題以外の小学校4年,5年,6年の国

語・算数の問題を改訂することにした。

 この問題を昭和35年の学年末に実施すそれば,移行期

の指導の反省および学級・学校の学力の全県的な位置づ

けができ,学年はじめではレデネステストとして個々の

学力や学級の傾向を診断して指導計画作成のための資料

として,有効に活用できるようにしてある。

 問題作成では,新指導要領の分析と昭和36年度から使

用される教科書の内容分析,および昭和35年度までの教

科書とそれに関連する移行期の取扱いとをじゅうぶん研

究して,検査問題の素材を整え,作問に当った。

 問題作成の過程で検査問題の領域の設定と評価の観点

と,それに対応する作問の内容などの、内容的な検討を

するために,例年のとおり第1回の問題作成委員会を11

月の中旬に開催した。

 その結果から検査問題に修正を加え11月末に第1回の

予備テストを実施して統計的な妥当性の検討の資料とし

た。この予備テスト結果から,さらに問題を修正して12

月中旬に第2回の予備テストを実施して最終的な学力検

査問題案を作成した。

 この最終的な案を第2回の問題作成委員会によって検

討し,診断的性格を帯びた学力検査問題の完成を見た。

 学力検査問題作成委員の構成は次のとおりである。

国語部会

福島大学学芸学部教授 源後三郎
〃         助教授 菅野宏
〃   付属小学校教諭 丑込幸男
福島県教委指導主事 白岩和夫
〃    〃 遠藤伊雄
福島県教育調査研究所所長 松田吉与
所員 牧野泉
河野利作
吉田良一
六角新之丞

算数部会

福大学芸学部教授 小泉孝治
〃      助教授 紺野正平
〃 付属小学校教諭 茂木利男
福島県教委指導主事 斎藤重千代
福島県教育調査研究所所長 松田吉与
所員 牧野泉
河野利作
吉田良一
六角新之丞

b,学力検査問題の標準化

 標準化のための標本の決定にあたっては,児童に対す

る管理を考慮して標本児童を学級単位にした。児童数

1,300〜1,500名,標本校45校を目標とし学校規模によ

る層別を行ない,無作為抽出によって標本校を決定し

た。なお,各出張所管内に標本校が選定されるような考

慮を払った。

 学力検査は,2月28日に各出張所の指導担当者および

研究所員がテスターとして全般の管理運営にあたり,各

学校のテスト補助員によって直接テストを実施した。

 テスト結果にあらわれた各小問の正答率と,標準化し

た換算Tスコアーは「学力検査の手引」で示したとおり

である。

 なお,この学力検査問題を自主的な希望によって実施

する学校は年々増加し,学習指導の反省や計画のうえで

重要な資料となっている。

c,誤答分析を通してみた指導のあり方

 学力検査を実施した翌年度,学力検査問題の答案から

系統的抽出法によって各学年約400名分を抽出し,その

反応分析を行なうことになっている。本年度は,小1・

2,中3について実施した。

 誤答は各小問ごとに調査して答誤傾向に従って類型化

し,誤答の要因を作問の観点と対応させて考察し,児童

に対する望ましい指導のあり方を考察したものである。

 県下全域にわたる多数の誤答から得た結果として,本

県の子どもの陥りやすい共通の問題点であるといえる。

子どものおかれる教育の諸条件が急変するものでなけれ

ば, このつまずきは, ここ当分は続くものと考えられ

る。そこで来年,再来年の子どもに対して,今からその



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