教育年報1960年(S35)-106/135page
3つの小問において良い成績を示している。成績の良か
った問題の〔5〕(3)は,記譜に関するものであるが,同
じ記譜についての〔5〕(1),(2)の問題は,逆に現役組よ
り悪い成績であり,又〔7〕(2)の鑑賞の問題では,同じ
ねらいをももった〔7〕(1)の成績が現役組より悪い成績
となっている。
現役組に対する浪人組の位置づけ ―音楽―
浪人<現役 浪人=現役 浪人>現役 〔1〕(1) 〔5〕(2) 〔2〕 (1) 〔8〕(1) 〔5〕(3) 〔1〕(2) 〔7〕(1) (2) 〔6〕 〔3〕 〔8〕(2) 〔2〕 (3) 〔7〕(2) 〔5〕(1) (4) 〔4〕 〔7〕 (3) 図工
〔7〕(2)の見取図と陰影とを合せて1つの小問とした
計14の小問に おいて,浪人組は5つの小問において現
役組より成績が悪く,4つの小問において良い成績を,
残りの7つの小問においては現役なみの成績となってい
る。成績の良い小問が特にある領域に集中しているとい
うのではなく,同一のねらいをもった問題の中で,1つ
の小問は成績が良く,他の小問ではその成績が悪いとい
うような状況である。
現役組に対する浪人組の位置づけ ―図工―
浪人<現役 浪人=現役 浪人>現役 〔3〕 1) 〔1〕2) 〔6〕 (1) 〔1〕 1) 〔3〕 2) 〔2〕 〔7〕(1)1) 〔4〕(2) 〔6〕(2) 〔4〕(1) 〔7〕(1)2) 〔5〕(1) 〔5〕(2) 〔7〕(2) 保体
浪人組は6つの小問で現役組より成績が良く,残り9
問は現役組なみの成績となっている。成績のよい6間の
うち,4問は問題番号〔4〕の陸上競技の規則に関する
ものであり,残りの1つは〔3〕バスケットボールのル
ールに関する問の選抜肢工,他は〔1〕健康診断票に関
するもののうちトラホームについてのものである。
現役組に対する浪人組の位置づけ ―保体―
浪人<現役 浪人=現役 浪人>現役 〔1〕(1) 〔3〕 (3) 〔1〕 (2) 〔4〕(2) 〔1〕(3) 〔4〕(1)2)ロ 〔3〕 (2) 〔2〕(1) 〔5〕 (1) 〔4〕(1)1) 〔2〕(2) 〔5〕 (2) 〔4〕(1)2)イ 〔3〕(1) 〔4〕(1)3) 職業必修
浪人組は1つの小問において成績が悪く,逆に2つの
小問において成績がよく,余り12の小問においては,現
役組とおなじ成績を示している。
成績の悪い小問は,領域では家庭に属する〔5〕(4)の
洗剤と繊維とに関するものである。この小問は男子より
女子に有利な問題と思われるので,浪人組と現役組にお
ける男・女比が明らかにされなければ,直ちに両組の成
績の良し悪しは論じられない。
現役組に対する浪人組の位置づけ ―職業必修―
浪人<現役 浪人=現役 浪人>現役 〔5〕(4) 〔1〕(1) 〔5〕(3) 〔3〕 〔1〕(2) 〔6〕 〔9〕 (1) 〔2〕 〔7〕 〔4〕 〔8〕(1) 〔5〕(1) 〔8〕(2) 〔5〕(2) 〔9〕(2) 英語
浪人組は2つの小問において,現役組なみの成績を示
しているのみで,他はすべて―13の小問―悪い成績とな
っている。
現役組に対する浪人組の位置づけ ―英語―
浪人<現役 浪人=現役 浪人>現役 〔1〕 1) 〔4〕 (1) 〔4〕3) 〔1〕 2) 〔4〕 (2) 〔5〕(4)1) 〔2〕(1) 〔5〕 (1) 〔2〕(2) 〔5〕 (2) 〔3〕(1) 〔5〕 (3) 〔3〕(2) 〔5〕(4)2) 〔3〕(3) 以上は浪人組の教科ごとの小問の成績を,現役組のそ
れと比較して,その成績が悪い―浪人<現役―並み=同
じ―浪人=現役―良い―浪人>現役―という表現で表わ
して来た。今教科別に成績の悪かった小問,成績の良か
った小問数の全小問数に対する割合についてみるに,前
者に属するものでは英語の86.7%が最も多く,続いて国語
の36.7,音楽46.7,図工21.4社会20.0%であり,後者
では理科の50%が最も多く,数学の46.7,社会36.7,図工
28.6%などへと順次少なくなっている。
又悪かったもの,良かったものの占める割合の開きか
らは英語,音楽,国語では,浪人組の成績が悪く。
数学,理科,保体,社会などではその成績が良い。
浪人組の成績が下位,上位であった小問数の全小問
に対する百分比
教科 国語 社会 数学 理科 音楽 図工 保体 職必 英語 計 項目 下位 36.7 20.0 3.3 6.7 46.7 21.4 0 6.7 86.7 228.2 上位 10.0 36.7 46.7 50.0 0 28.6 40.0 13.4 0 225.4 E 非行傾向児の早期発見を目的として作成した性格検査
について
a 研究の経緯
環境診断,性格検査などが広く一般に市販され,また
多くの学校で使用されている。これらの検査結果を,
非行傾向児を早期に発見するという立場からは,どのよう
に解釈したらよいか,その解釈の仕方を研究する。また
この研究に用いた各種の検査で,非行傾向児の早期発見