教育年報1960年(S35)-114/135page
7表 非行群と正常群の合計失点の相対度数分布
12.90 13.70 14.50 15.30 16.10 16.90 17.70 18.50 19.30 20.10 20.90 21.70 22.50 23.30 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 非行群 1.5 5.1 7.6 10.1 13.6 20.2 11.6 11.6 8.1 5.6 3.0 1.0 正常群 6.0 16.0 21.0 20.5 16.0 9.5 3.0 5.5 1.0 1.5 置賜 1.0 2.0 4.9 9.9 10.9 18.8 14.8 16.8 12.9 4.0 4.0 24.10 24.90 計 〜 〜 非行群 1.0 100.0 正常群 100.0 置賜 100.0 グラフの交点に対応する合計失点17.20による分離
は,非行群では81.5%が合計失点17.20以上,正常群で
は85.5%が17.20未満となっている。これを先の場合と
比べると,正常群では何等の変りがなく,非行群では
85.8%が81.3%になって分離性が幾分鈍っている。
2),置賜学院の生徒による検証
置賜学院の生徒で17.20未満のものは17名-16.8%
で,これは先の13.8%に比すれば大きな数である。
環境の5問を除外した場合,グラフの交点に対応する
合計失点による分離性は,非行群と正常群に対しては,
ほとんど変りはみられなかったが,置賜学院の生徒につ
いては,大きな変化がみられた。これは研究に用いた両
群が,ともに家庭で生活し,学校に通っている生徒であ
るがためと思われる。
5,下位検査によるプロフィール
以上によって,非行への可能性が率によって指摘され
た。次いで,いずれの下位検査により多くの問題がある
かを見極めるためにプロフィールを用いることにした。
この場合は,5段階表示とし,非行,正常の両群をひ
とまとめにした度数分布表で,これを6.7,24.2,38.3
24.4,6.7の割合に分割する合計失点をもって段階値へ
の境界とする。
5間を除去しない場合についての結果は表のごとくで
ある。
8表 各下位検査の5段階値
段階値 1 2 3 4 5 下位検査 環境 〜3.90 〜4.53 〜5.27 〜6.02 〜 環境への適応 〜3.66 〜4.28 〜5.40 〜6.57 〜 自己統制 〜3.81 〜4.35 〜5.35 〜6.45 〜 その他 〜3.90 〜4.45 〜5.29 〜6.09 〜 F 全国学力調査 ―高等学校―
a,調査の目的方法
昭和35年度における文部省の全国学力調査は,社会
科,理科についておこなわれた。
高等学校では,各学校の科目の履習状況に応じて日本史
又は人文地理のいずれか1科目と化学とについてテスト
が行なわれることになっていた。本県では1)各高等学
校単位の学力の実態,2)入学時の成績と今回の学力調査
の成績との関係を明らかにすることを目的として,文部省
の標本校以外は,すべて本県独自の調査校とした。各
高等学校の日本史,人文地理,化学の学力が推定できる
ような抽出方式のもとに生徒はいずれか1科目を受験す
るようにした。
1表全生徒の科目履習状況と標本の履習状況
項目\単位 0〜3 3 4 5 6〜 計 日本史 全体 24.6 2.0 27.4 16.4 29.6 0.0 100.0 標本 37.6 15.3 47.1 100.0 人文地理 全体 24.2 2.5 43.5 11.7 18.1 0.0 100.0 標本 59.5 11.5 29.0 100.0 化学 全体 0.0 3.2 40.5 1.3 54.0 1.0 100.0 標本 47.4 0.0 52.6 100.0 b,調査の結果
科目別の成績
文部省の全国学力調査問題は,各科目とも全日制の全
国平均点50点程度を期待し,100点満点で作成されて
いる。この学力調査問題にあらわれた本県の課程別の成
績は2表にみられるごとくである。
2表 課程別科目別の成績
普通 農業 工業 商業 水産 家庭 全課程 日本史 平均 51.9 30.8 55.0 51.3 48.5 26.5 49.6 単位 4.1 2.9 3.0 3.0 3.0 3.0 4.0 人文地理 平均 37.9 35.0 43.9 38.2 39.3 27.9 37.5 単位 3.7 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.6 化学 平均 35.8 38.8 44.8 30.5 43.1 22.5 35.8 単位 4.1 3.3 3.0 3.6 4.1 3.1 4.1 各科目の成績は,その履習単位数,履習の時期その他
各種の要因に影響されることは勿論である。このうち履
習単位数のみについても,2表にみられるごとく課程に
よって異なっている。従って単に表にあらわれた数値の
みで,課程相互の成績を比較することは意味が少ない。
然し,各課程どうしは比較的諸条件が一致していると思
われるので,全国のそれとの関係においてその成績の比