教育年報1961年(S36)-046/193page
2 日本育英会奨学生制度
本会は政府からの借入金を主体として,これに返還
金,育英寄付金等を加えて運営している国家的育英機関
である。
各県教育委員会内に支部があり,県内の日本育英会
奨学生の採用・貸付・返還・補助等の各事務を行って
いる。
(1)奨学生
奨学生は,高等学校・工業高等専門学校・大学・大学院
および国立工業教員養成所に在学する生徒ならび
に医学実習生で在学校の校長・学長から推せんされた
者のうちから採用する。
奨学金の主な種別と貸与月額は下表のとおりである
種別 貸与月額 ◎一般貸与奨学生 高等学校奨学生 1,000円 大学奨学生 2,000〜3,000円 〃 (通信教育) ―面接授業期間6,500円 大学院奨学生(一種) 8,000円 〃 (二種) 12,000円 芸術専攻科奨学生 8,000円 医学実地練習奨学生 2,000〜3,000円 ◎特別貸与奨学 高等学校特別貸与奨学生 3,000円 大学特別貸与奨学生 4,500〜7,500円 ※ 註(工業高等専門学校の貸与月額は未定)
(2)奨学生の採用
上記表のうち各県支部が取扱うものは高等学校・
工業高等専門学校の一般及び特別貸与奨学生と大学特別
貸与奨学生である。
1) 高等学校一般貸与奨学生
高等学校に在学する生徒で,学業・人物ともに優れ
ながら,経済的理由によって修学困難と認められたる
者で,学校長から推せんされたる者について・支部選
考委員会を経て採用される。
毎年4月と9月頃にかけて募集する。
2) 高等学校,工業高等専門学校一般貸与予約採用
奨学生
中学校第3学年に在学する生徒で,学業・人物とも
に優秀にて進学希望を有するが,経済的理由により進
学を断念することのなきよう,予め奨学生の予約採用
を中学校在学中に行い,高等学校進学後ただちに本採
用となる。
中学校長の推せんにより,支部選考委員会を経て予
約採用される。募集時期は年1回10月頃。
3) 高等学校・工業高等専門学校特別貸与
(予約)奨学生
上記の2)と同様の主旨にて,中学第3学年に在学す
る生徒を対象とする。貸与月額は3,000円にて,
そのうち一般貸与奨学金の貸与額(月額1,000円)相
を当一定期間内にて返還すれば,残額は返還免除とな
る特典がある。採用は上記に同じであるが,全国一律
の学科試験がある。募集は年1回5〜6月頃
4) 大学特別貸与(予約)奨学生
上記8)と同じであるが,対象は高校最高学年に在学
又は,卒業後1年以内に大学進学を希望する生徒であ
る。
貸与月額は自宅通学者は4,500円,その他は7・500円
で,返還免除の特典は,大学一般貸与奨学生の貸与月
額(3,000円)相当を返還すればよい。高等学校特別
貸与(予約)奨学生と同じく学科試験が行われる。
募集は年一回5〜6頃月
県内の各奨学金の採用状況は次のとおりである。
日本育英会福島県支部年度別奨学生採用数
区分 一般貸与奨学生 一般貸与予約奨学生 特別貸与予約奨学生 大学特別貸与予約 年度 応募者数 採用数 % 応募者数 採用数 % 応募者数 採用数 % 応募者数 採用候補者 補充候補者 計 % 人 人 人 人 人 人 34年度 986 697 70.7 333 89 26.7 331 148 44.7 人 人 人 人 35〃 671 572 52.5 270 90 33.3 317 143 45.1 235 77 62 139 59.1 36〃 529 519 93.1 546 177 32.4 450 233 51.8 292 111 73 184 63.0 同上年度別奨学生数及び貸与年額
区分 一般貸与奨学生 特別貸与奨学生 総 数 貸与金額 年度 34年度 1,935人 274人 2,209人 33,084千円 35 〃 1,802人 419人 2,221人 36,708千円 36 〃 1,651人 562人 2,213人 40,044千円