教育年報1961年（S36）-047/193page

(3)　奨学金の返還

　奨学金の返還は,卒業の6ヵ月後から20年以内に

年賦・半年賦の方法で行うが,病気・経済的事由によ

っては,申請することによって返還猶予も出来る。

　また返還免除は次のようなものである。

　(イ)死亡,不具癈疾等により返還能力を失った時は申

　　請により免除される。

　(ロ)大学の奨学生であった者が義務教育職に一定限従

　　事した場合。

　(ハ)大学院の奨学生であった者が,大学や特定の試験

　　所,研究所,文教施設で教育または研究の職に一

　　定限従事した場合。

　(ニ)特別奨学生であった者が,一般賞与と同額の返

　　還金を規定どおり返還した場合,その残額を免除

　　される。

(4)奨学生の補導

　本会の事業が国費で営まれているので,奨学生の成

業には社会の期待がかかっていることを全員に自覚さ

せるため,本会と奨学生の関係を単に金銭的のみにと

どめず,精神的なつながりをもたせ,充実した生活を

送るように種々方法によって補導している。これらの

方法として,「面接・相談・座談会」「学業成績・健

康・生活状況等の調査」「成績不振者の督励」などを

行い,機関誌"育英"を年8同位発刊している。

　また奨学生の外郭組織として,卒業した奨学生によ

って結成された,「育英友の会」の全国的な組織があ

り,各県支部と一諸に活動している。