教育年報1961年(S36)-053/193page
熱心にペンを走らせており,じゅうぶんに研修の実を
挙げたものと思う。また県教育長が自らあいさつに出
て,県教育行政上の抱負を述べたこともこの会を盛ん
にするうえに効果的であった。
3 教頭 主事研修会
管理職としての教頭,主事の資質向上をはかり,併
わせて当面する学校管理上の問題点について研究協議
をするため下記要項により研修会を開催した。
方部 期 日 会 場 参加者 県北 12月22日(金) 9.30〜15.30
県庁 正庁 (四階)
小、中、高校教頭並びに高校主事、分校長250名 相双 12・23日(土) 9.30〜15.30
浪江高等学校 仝上 120名 講師
教頭論
東京教育大学 教育学部長 石三次郎
人事管理と給与について
内閣総理府公務員制度調査室長 増子正宏
この研修会は方部別に開催することとし次年度は
会津,県南,石城方部にて,8月頃開催する予定であ
る。
4 英語教員現職講座 (5カ年計画)
中学校,高等学校を通じて,従来の英語教育におけ
る大きな問題点は,いわゆる聞くこと,話すこと,読
むこと,書くことのうち,読むことのみに重点がおか
れて,その他の領域が不当にネグレクトされてきたこ
とである。従来,わが国の英語教育がこのような指導
に終始してきたことには,歴史的その他,幾多の事情
があるのであるが,今後あらゆる面において国際交流
がはげしくなる時代となることにかんがみ,中学校,
高等学校の新指導要領においては,外国語を読んでわ
かるというに止まらず,積極的に話し,書くなどの発
表運用能力の育成に重点がおかれている。
なお,文部省においては去る昭和35年,新しい時
代に対処して今後の英語教育のあり方を,その諮問機
関・英語教育改善協議会にはかったが,その答申にい
わく。「この答申の趣旨を達成するためには,特に英
語を聞くこと,話すことの指導を根本的に改善する必
要を認める。よって,この際その実効をあげるため,
中学校および高等学校の英語教員の聞く能力および話
す能力を強化する現職教育を,全国的に早急かつ継続
的に実施し,それに必要な財政的措置を講ぜられた
い。」
以上の趣旨にもとづき,文部省,県教委主催の英語
教員現職講座が今年度から5か年計画で行なわれるこ
とになった。
これは,県内中学校,高等学校英語科担任教員を対
象に6日間にわたって,英語を聞き話す現職教育を行
ない,聞き話す指導力の抜本的改善向上を図ろうとす
るものである。
その第一年次の同講座の実施要項は以下の通りであ
る。
1期日 第1回 昭和36年7月29日〜8月3日
第2回 昭和36年8月29日〜9月3日
2会場 第1回 二本松市岳温泉
第2回 猪苗代町翁島荘
3参加者数
中学校教員75名,高等学校教員25名
4講 師
県教委指導主事 石川衛三
Miss Irene Anderson
Mr.Heber Mcllwaine
福島大学教授 小川武二
須賀川高等学校 星好
会津工業高校 高田善一
5講習内容
1)発音,アクセントおよび抑揚に関する練習。
2)英語の指導法に関する討論および実演。
3)聴覚教材による練習,歌唱練習その他
6日 課
1 2 3 4 5 6 7 P A I S D T L P=Exercise in Pronunciation
A=Exercise in Accentuation
I=Exerclse in Intonation
S=Spoken English
D=Discussion on Teaching Techniques
T=Teaching Practice
L=Lecture, Recreatlon etc.
7テキスト
文部省:Guide book,Seminar for Teach
ers of English;W.Clark:Spoken
American English(Intermediate Course)
8その他
全員宿泊とし,講習期間中は英語を使用し,個人本
位の練習を主として行なった。