教育年報1961年(S36)-062/193page

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家庭
本庁指導主事 壁谷沢万里子
郡山女子高校教諭 甲野藤ウタ
須賀川高校教諭 小山尚枝

4 中学校技術・家庭研究協議会

 昭和37年度より中学校新教育課程の全面実施にそな

え,新設される一般教科としての技術。家庭科は,内

容的にも工的分野が豊富にとり入れられているので,

これらの実習を主とする教科の指導力を向上させるこ

とが緊急の課題である。本年度は研究協議会3カ年計

画の最終年度にもあたり,また教職員免許法が一部改

正されたので,有資格者で希望するものも参加させる

ことにした。

 まず飯坂町において,県研究協議会の講師となるべ

きものを対象として「北海道・東地区中学校教育課程

(技術・家庭)研究協議会」が6月6日から8日まで

3日間開催され,本県から9名が参加し,夏季休業

中には,県内の研究協議会を4会場に分けて実施し

た。実技を中心とする研究協議会であったため,参加

者は,炎天下汗を流して製作物にとりくみその成果も

多大でみった。なお教職員免許法の一部改年に伴ない

夏季休業中に参加しなかったもののうち希望者を対象

として1月29日より県内1会場で男子むきのみ実施し

た。

 以下県研究協議会についてその実施概要を述べる。

(1)目 的

 中学校の教育課程の改訂による技術・家庭科の新設

に伴ない,その趣旨の徹底と担当教員の資質の向上を

はかることを目的として実施された。

(2)主 催

 文部省・福島県教育委員会

(3)期 日

 昭和36年7月22日〜8月11日

  男子12日間 女子4日間

 昭和37年1月29日〜2月10日

  男子12日間

(4)講 師

 文部省主催「昭和36年度北海道・東北地区中学校教育課程

(技術・家庭)研究協議会」に参加したもの9名をあてた。

(5)会場・人員
会場 参加者数 期間
福工 65 52 7月24日〜8月5日 8月8日〜8月11日
郡工 150 71 7月26日〜8月6日 8月7日〜8月10日
  114   1月29日〜2月10日  
会工   102 85 7月24日〜8月25日 8月6日〜8月9日
平工 79 58 7月22日〜8月2日 8月6日〜8月10日
500 266    

(6)内 容

 男 子

  指導要領解説,設計・製図,木材加工・金属加工,

  機械,電気

 女 子

  指導要領解説,設計・製図,木材加工・家庭機械,

  家庭電気

(7)実施状況

 各会場とも早朝より登校して,各自の作業を始める

状況で,意欲が旺盛であり短期間ではあったが自分の

ものにしようとした点では高く評価されてよい。ただ

製作することにのみ追われて理論的に内容を深めるに

は日数が足りなかったのは遺憾であった。

第4節 学力向上対策

 児童生徒の学力の向上を計るには,優秀なる教職員

を確保してこれを適正に配置し,学校長その人をえて

校内指導監督を厳正にし,教職員の現職教育を盛んに

してその資質の向上と指導法の改善に努めることが大

切である。さらに施設,設備を効果的に充実して教育

効率を高める必要がある。

 県教委としては,学力の向上をその努力目標の一つ

として上にのべた努力を続けているが,現職教育の充

実のためには指導主事指導委員等の指導組織を強化し

て効果的な指導助言を行ない,研究指定校を設定して

学習指導法の研究に努めてきた。また教育研究団体に

よる自主的研究を育成するために補助金を交付し,ま

た,研究会講習会を共催してさた。あわせて教員一人

一人の自己研修を振興するため,本年度新規事業とし

て教職員研究奨励金を交付する等研修態勢の強化を計

ったのである。

 教育課程の改訂は学力向上と密接な関連をもつもの

であるが,小学校は過去2カ年の移行期間を経て本年

度からその完全実施にはいった。中学校では移行第2

年次に当り37年からの完全実施に備えて新教科書の研

究採択,新教育課程の作成等を行なった。文部省・県

教委主催の教育課程研究協議会は,小中学校はともに

3カ年計画の最終年度に当り,関係教員の全数が本年

度で研修を終了したことになる。高等学校の教育課程

については,38年度からの実施に備えて第2回の研究

協議会を開催した。また,新教育課程研究委員会を招

集して新教育課程に関する県基準案を作成した。


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