教育年報1961年(S36)-066/193page
(2)設備基準の改正について
理科教育設備の基準に関する細目(省令別表)は昭
和29年に法制定以来種々論議があったが,昭和34年学
習指導要領改訂以来その改訂が要望されてきた。
しかし,大蔵省と文部省との間に意見のくい違いがあ
って決定がおくれていたが,昭和36年8月12日,
文部省令第20号をもって施行規則の一部改正が公示され,
小・中,高,特殊学校とも,学校規模の分け方,品
名,数量,規格,単価等全般にわたって改正された。
本年度はこの基準の改訂のため理振法補助金内示が
おくれ,申請書類の提出は本年度に限り次のとおりに
なった。
市町村→県教委 9月10日まで
県教委→文部省 10月10日まで
設備基準の改正に伴ない,設備台帳の更新が実施さ
れた。印刷がおくれて37年1月中旬に台帳が到着し,
1月29日から2月6日の間に県下16出張所ごと説明会
を実施した。各学校からめ参加者は帰校後自校の台帳
の書き替えを行ない,36年4月1日現在の現有額,充
実額を算出し,2月22日県教委に提出,同28日文部省
へ報告を行なった。概況次のとおりである。
新設備基準による設備状況 36年4月1日現在
小学校 中学校 高等学校 特殊教育校 計 県現有額 97,869,578円 119,513,102円 71,970,425円 1,501,550円 290,845,655円 〃現有率 26.1% 38.8% 34.7% 22.8% 32.5% 県充実額 106,099,353円 125,065,050円 74,527,625円 1,529,560円 307,221,588円 〃充実率 28.3% 40.6% 36.0% 23.2% 34.3% (3)36年度事業状況
1) 補助対象校の選考について
小,中学校については,前年度対象校を除くこと,
および1学年,2学年程度の小規模分校を除外するこ
となど文部省の配分要領に準拠した。小学校の補助額
は前年度の約2倍額の多額であったので追加割当を行
なったが,完全に消化していただいたことは感謝にた
えない。
高等学校については,小中学校同様前年度対象校を
除外し,今まで2回しか受けておらずに現有50%以下
の学校に対して率の少ない方から対象とした。
2) 補助金配分状況
学校種別 補助対象学校数 補助対象市町村数 補助決定額 設置者負担額 小学校 144 87 11,276,000 11,383,184 中学校 51 5,985,000 6,033,772 高等学校 27 3,915,000 3,915,000 特殊学校 1 87,000 87,000 計 223 21,263,000 21,418,956 3) 補助金交付状況
本年度は先に述べたとおり,設備基準改正のため交
付事務が文部省初めおくれたが,経過は次のとおりで
ある。
36, 9, 4 文部省より内示受ける。 9,14 市町村へ補助の内示をする。 10,12 〃 基準細目を印刷のうえ通知 12, 9 文部省へ申請書類提出 37, 1, 4 文部省より交付決定書を受ける。 37, 1, 9 市町村へ決定通知を出す。 2,27 〃 決算書類提出方通知する 3,15 決算書類提出期日 (4)理科教育に関する研究の実施状況
35・36年度対象校は前年度から引続き設備の計画的
充実に努めるとともに,校内,市町村,出張所単位に
研修を重ね,主として10月〜12月の間,各地で研究公
開を行ない,研究成果の発表交換を行なった。小.
中.学校では,すでに大部分の学校が対象になってお
り,理科の研究授業の経験者も多くなってきているの
で研究会も活発化しつつあることは喜ばしい。特に一
度研究授業を体験した教師は,やはり授業の目標をは
っきりつかんでおり,未熟者と区別できる場合が多い
のは現職教育の成果と考えられる。
高等学校においては,設備の充実と実験実習費の増
額と相まって理科実験観察やクラブ活動が盛んになっ
ており,特に各ブロックの理科教育研究協議会の研究
発表内容や機関誌に見受けられる。
2 現職教育の実施
(1)理科実験講座
1) 趣旨これは国が小,中,高校理科担当教員の
現職教育のために33年度からか5カ年計画で行な
っているもので,充施を各県教育委員令に委任し
ている。本年度は第4年次に当る。
2) 講座開設状況
部会 班名 会場名 受講者数 開催期間(実日数各7日) 小学校 保原小 8月1日〜8月7日 須賀川二小 45 8月7日〜8月13日 田島高校 32 8月10日〜8月16日 平一小 45 7月30日〜8月5日 第一 付属中 29 8月2日〜8月8日