教育年報1961年(S36)-067/193page
中学校 第二分野共 三春中 39 8月7日〜8月13日 田島高校 13 8月10日〜8月16日 平一中 32 7月30日〜8月5日 高等学校 化学班 福島大学 24 8月3日〜8月9日 地学班 〃 28 〃 計 10班 8会場 335
3) 実施状況
小学校部会,中学校部会については,従来どおり各
ブロックごと1出張所が中心になっていっさいの事務
を担当し,これに理科研究会の方々の積極的な協力に
より実施した。内容,日程等は各会場独自のものであ
るが,酷暑の折連続7日間,実技中心の効果的な研修
であった。
高校部会は,4月初め各高校に開設希望科目の調査
を実施し,これに基づき化学と地学の講座を開設し
た。大学の先生方の周到なご準備と熱心ご指導は,そ
のりっぱな設備とともに受講者を満足させるのにじゅ
うぶんであった。
4) 所 見
小,中,高各会場ごと受講者ならびに実施担当者の
意見を求めたが,いずれも好評であった。ただ担当者
としては経費不足には頭を悩ましていた。消耗器材費
と謝金の増額,高校参加者に対する旅費支給について
改善を加える必要があろう。
(2)県主催講習会の実施状況
1) 理科教員講習会
期 日 36・7・21〜23の3日間
会 場 安達郡安達町立油井小学校
参加者 小学校低学年担当教員155名
講 師 安達管内理科研究会員その他
実施内容 小学年低学年の理科教材を主体とし,
直接授業に役立てることを主眼とする。
所 見 本講習会は昨年に引続き第2年次である
が,小学年低学年担当の女教師はこの種の講
習会には従来ほとんど参加していないので有
効であった。
2) 臨地実技講習会
期 日 36・7・28〜30の3日間
会 場 会津若松市立第一中学校
参加者 県下小中学校教員,約100名
講 師 福大三本杉博士,小林先生
実施内容 背灸山,塔のへつり 赤井谷地の実地調
査,採集
所 見 植物,岩石鉱物等の観察能力を高めるには
きわめて有効であった。ただ,参加者が予定
より多いので,指導の徹底が期せられなかっ
たのは残念である。
3) 高等学校理科教育講習会
期 日 36・7・30〜8・1
会 場 会津高等学校
参加者 県下高校理科担当教員100名
講 師 東京教育大学学長 朝永振一郎氏
実施内容 原子物理学について
所 見 一流の物理学者に接し,解説の明確なこと
強く感銘を受けた。
4) その他
理科教育研究会を後援して実施した大会や研究発表
会等各地で行なわれた。
3 問題点とその対策
科学技術教育振興上の障害点としては,まず人の不
足である。工業高校増設に伴ない,工業教員を中学校
教員中の有資格者から求めようとすれば中学校におけ
る優秀な指導者に不足を来たすことになる。中学校に
おける理工科系教員の不足は小学校にしわよせされ,
小学校で理科の中学校免許状を持つ人がほとんどなく
たりつつある。また,質の点についても種々問題があ
る。徹底的な現職教育及び教員養成が考えられなけれ
ばならない。
第7節 産業教育
昭和36年度においては本県産業教育の現状にかんが
み「産業教育振興法」および「福島県産業教育総合計
画」「福島県高等学校入学志願者急増対策資料」に基
づき次の方針を樹立して中学校,高等学校の充実強化
を図った。即ち
(方針)
1,高等学校産業教育設備施設の充実
2,現職教育の拡充
3,工業高等学校教員の充足計画
4,農業高等学校の体質改善
5,普通高等学校家庭科設備の充実
6,中学校技術家庭科設備の充実強化
7,高等学校科学技術教育実験実習の充実
8,産業教育振興団体の育成
を期し次に掲げる諸施策を実施した。
(施策)
1 高等学校産業教育施設設備の充実
(1)新設課程設備
本県高等学校(公立)の職業課程生徒数と普通課
程生徒数は,それぞれ23,657人対31,219人でその
割合は43.2%と56.8%であるが,国是としての,
国民所得倍増計画ならびに昭和37年度以降に予想
される高等学校入学志願者の急増対策として特に
産業教育の見地から勿来工業高等学校を新設し機
械科・電気科・工業化学科・建築科を設置した。
また福島工業高等学校及び会津工業高等学校にそ
れぞれ電子科各1学級を増設するとともに昭和35