教育年報1961年(S36)-077/193page
単級における理科学習指導について
東山小学校 室井武雄
単級複式における理科指導にはあまりにも困難
が多すぎるが,室井教諭は資料の事前提示,児童
自らで集め,作り,ためし,観察する機会を与え
るなどくふうして効果をあげている。
6) 第四分科会
ここでは単級の中学校の問題がとりあげられた
すなわち
単級における学力向上をめざしての学習指導は
どうしたらよいか。
尾岐中学校 武藤平二
単級では教科の組合せがまず問題になる。尾岐
中の松坂分校では「同単元内容と異教科との組合
わせによる学習活動」をとりあげ比較的作業学習
の多い単元を整理し,直接指導の時間を多く必要
とする学習と組合わせて効果をあげている。
7) 全体会
ここでは視聴覚教具の活用がとりあげられた。
山間へき地における視聴覚教育について
横田小学校 大竹門三
理科指導におけるテレビの利用
檜原小学校 酒井信公
の発表があった。要は視聴覚教具の利用には事
前事後の扱いが最もたいせつである。視聴ノート
の活用なども有効あろう。
(3)浜通り方部
1) 会場 石城郡沢渡小学校 新田分校
2) 研設主題
ア,小規模校および分校の経営は,どのようにす
ればよいか。
イ,小規模校および分校の算数,数学の学習指導
はどのようにすればよいか。
3) 研究発表の実態
私の分校経営の概要
沢渡小学校 阿部政延
複式学級における算数科の同時同単元指導
沢渡小学校 佐藤吉雄
学習指導とワークシート並に教材教具について
沢渡小学校 柴崎忠
山村へき地における小中校兼務の校長の学校経
営
玉野小中学校 田中信義
小規模学校と分校経営について
川内第二小学校 前田豊
以上の5名よりそれぞれへき地教育の当面する
問題について具体的に建設的な発表があった。
2 文部省研究指定校
本年度は東白川郡塙町立片貝小学校矢塚分校が指定
され,「国語科同単元学習指導計画」について研究し
た。同分校は交通の便極めてわるく定期バスをおりて
徒歩一時間のところにある。一・二年,三・四年,五
・六年の三学級で教員三名,分校主任を推進力として
三名の教師が一丸となって研究にあたり,11月にそ
の研究を発表した。この指導計画はこの種分校の国語
科指導に大いに役立っている。
3 小規模学校教育研究協議会
昨年度からはじめられ,今年は第2年目,山村教育
研究会は一般教員を対象として学習指導を主としてい
るのに対し,この協議会は小規模学校経営について指
導と管理上の問題点について研究と協議を行ない,管
理者としての資質を高めることを目的としている。
(1)期 日 昭和36年7月7日(金)
(2)会 場 飯坂町中央公民舘
県教委よりの所管事項説明につづいて,研究協議に
入り,3人の方々の研究発表の後,協議を行なう,困
難な小規模学校の運営をどのようにすればよいかにつ
いて熱心な討論があった。
最後に小規模学校における諸問題について
斎藤重千代氏の講演があった。
4 複式学級国語学習
指導計画例説明会
本年度より新たに設けられたものである。文部省で
は近年複式授業に同単元指導という方式をとりあげそ
の普及に努めているが,県としても本年度より2方部
で国語科の説明会を開いた。
(1)会津方部
11月 2日 宮下小学校
(2)浜通り方部
11月22日 相馬教育会舘
同じ教室に二つ以上の学年のこどもが学習している
わけであるが,それぞれに全く関係のないことがらを
取り扱うよりも,できるだけ同じことがらを取り扱う
方が,教師の準備や精神的な負担がより軽滅され,ま
た,こどもの立場からも,二つの学年の間により望ま
しいふん囲気が作られようという考え方である。
今後各教科についてこの同単元指導をますます研究
してゆく必要がある。
第10節 学校図書館教育
1 概 況
学校図書館は,現在,一つの転機にあるといわれて
いるが,教育課程の改訂に伴ない,資料センター,教
科センターとしての位置を明確にすることが必要であ
り,図書館設備の充実と図書館資料の整備・活用の推