教育年報1961年(S36)-078/193page
進がいっそう行なわなければならない時期にある。
この学校図書館設備の充実の現況は,高等学校にお
いては,独立図書館を持つものが20校に達しようと
し,一般に整備されてきており,また小中学校におい
ても,充実した設備の学校図書館が各地域に出来てき
ている。しかし,問題となっているのは,中学校にお
いては生徒数の急増に伴ない,特別教室が普通教室に
転用されるものが多くなっており,学校図書館が小さ
な書庫や廊下の隅に在るという状況も出ていることで
ある。
図書館資料の整備,活用については,研究と実践が
着実に進められ,利用のための目録も作成され,「件
名目録」を備えた学校も出てきている。
なお,研究学校や研究協議会においては,これらの
問題を取りあげて,その推進をはかってきた。
2 学校図書館施設設備充実状況
学校図書館法に係る国庫負担金が,小中学校に関し
ては昭和33年度から「教材費」中に含まれることに
なり,高等学校だけが交付対象になっているが,小中
学校における充実状況は,文部省基準に対し,県平均
80〜90%程度になっている。
高等学校については,次表のとおりである。
高等学校図書設備充実状況 (36,3,31)
学校種別 学校総数 基準以下学校数 不足量 不足率 基準以下学校数 (35,4,1) (36,3,31) 高等学校 図書 71 5 844冊 0.3% 2 書架 71 16 324m 4.3% 14 カードケース 71 8 473cm 4.2% 8 盲学校高等部 図書 1 1 9冊 2.0% 1 書架 1 1 1m 5.0% 1 カードケース 1 1 40cm 100% 1 ろう学校高等部 図書 1 0 0 0% 0 書架 1 1 0 0% 0 カードケース 1 1 9cm 100% 1 3 学校司書配置の状況
学校図書館事務の複雑さと重要性から,専門職とし
ての司書教諭の設置について,「学校図書館法」第5
条に規定してある。
しかし,司書教諭の任命を行たっていない県が多い
現在,学校図書館係教諭や,いわゆる学校司書により
この仕事が行なわれているわけである。
この学校司書(事務職員)は,PTA費等によって
いるのが大部分で,その公費負担による配置について
の要請がなされてきたが,これが次第に実現される実
状にある。本県における状況は次のとおりである。
公費負担による学校司書配置状況
(1)小学校
常磐市(司書補) 郡山市(事務員) 平市(司書補助) 小野町(事務助手) 三春町(給仕) 好間村(事務助手) 遠野町(司書補) (2)中学校
相馬市(用務員) 常磐市(司書補) 平市(司書補助) 会津坂下町(事務員) 三春町(司書) 鏡石村(事務員) 遠野町(臨時雇) 鹿島町(司書補) 3 関係通達
学校図書館関係教育長通達のおもなものは,次のと
おりである。
◎昭和36年度学校図書館司書教諭講習会の実施につ
いて (昭和36,6,5)