教育年報1961年(S36)-147/193page
9 45.3 24 46.5 28 -4 10 47.3 18 46.8 27 -9 11 55.5 4 53.2 3 1 12 48.3 16 47.3 24 -8 13 58.9 2 55.1 2 14 46.8 22 49.0 15 7 15 51.6 8 48.3 17 -9 16 59.5 1 60.3 1 17 50.5 10 51.4 8 2 18 52.5 7 50.5 10 -3 19 47.1 20 47.0 25 -5 20 47.2 19 48.2 19 21 52.9 6 52.0 5 1 22 43.9 29 45.6 29 23 46.9 21 48.6 16 5 24 50.1 11 51.8 6 5 25 45.2 25 47.4 23 2 26 44.7 28 48.0 20 8 27 50.0 12 50.4 11 1 28 55.2 5 51.4 7 -2 29 49.3 14 49.2 12 2 (5) 学力の地域差
各学校における3分の1の標本の全国学力調査にお
ける国語 算数のそれぞれの得点を換算し,その平均
点をもってその学校の学力を表わし,地域類型間に学
力の差異がみられるかを検討する。
これには,学校数の少ない鉱業市街―6―,工業市街
―3―,漁村―2―の3地域を除き,また学校数の
多い農山村―192―,純農村―215―,普通農村―88
―の地域では4分の1ないし3分の1の学校を抽出し
てそれぞれの地域の標本とした。
9つの地域と,これに属する12〜54の学校について
の分散分折の結果は7表のようである。
7表 地域別学力の分教.分折
変動因 自由度 平方和 平均平方 地域内 270 5,065.32 18.76 地域間 8 2,535.44 316.93 全体 278 7,600.76 27.34 F=316.93/18.76=16.894
F検定の結果は地域間に著しい差異が認められるこ
とを示している。
このように学力の要因に生活環境が存在し,また知
能は素質と環境との関数といわれ,生活環境が知能に
働きかけている。そしてこの現象は,3 2“知能偏
差値の調査”においてみられた。
そこで,学校の学力を知能によって修正するとき,
この修正された学力についてもなお地域差が認められ
るであろうか。先の地域類型と学校とについて分散分
析法を試みてみる。その結果は8表のごとくであり,
F検定の結果は地域間に著しい差異のあることを示し
ている。
8表 地域別の修正した学力の分散分析
変動因 自由度 平方和 平均平方 地域内 259 4,328.48 16.71 地域間 8 522.16 65.27 全体 267 4,850.64 18.17 F=56.27/16.71=3.906
(6) 教育条件との関係
知能を考慮した後においても,なお学力に地域差が
みられた。そこで生活環境を均等にさせるため,ここ
では学校数の多い地域類型の農山村地域―192校―,
純農村地域―215校―の2つを研究の対象とする。
知能の均等化については,田中,教研,東大式知能
検査を使用したそれぞれの学校より30校の標本,その
学校の30名の標本児童に基づいて求めた,次の学力の
知能偏差値に対する回帰直線を用いることにした。
田中式知能検査
y= 24.57+0.5490x
教研式知能検査
y= 26.01+0.5341x
東大式知能検査
y= 22.95+0.5593x
各学校とも全国学力調査の得点の換算点に表われた
学力と,学力の知能偏差値に対する回帰直線からの推
定値との差が正である学校を,学習効果をあげている
学校群―A群―,差が負である学校を学習効果をあげ
ていない学校群―B群―とに分けた。この際,差が
零となる学校は除外した。
各群の分離の状況は9表のようである
9表 地域別A・B群学校数
農山村地域 純農村地域 A B A B 学校数 70 89 101 95 1) 教育費
教育条件の調査票における教育費の項には,公費の
合計と市町村支出金の1学級当り,私費の児童1人当
りの金額とがある。これらの金額は,昭和36会計年度
地方教育費の調査の「甲学校教育費」の調査票にある
学校教育費の総額の公費合計,市田]村支出金および私
費から,資本的支出の土地費,建築費を差引いたもの
である。
市町村支出金の2地域におけるA・B両群の平均額
は,それぞれ10表にみられるように2地域ともA群の