教育年報1961年(S36)-151/193page
なお到達率の低いものでは,領域「話すこと」に属
する問題〔3〕「アクセントをつけて発音する能力」
の55.7,領域「読むこと」に属する問題〔6〕「2つ
の節を結んで意味の通る英文を構成する能力」の69.
などである。
2表 普通課程の領域別の正答率
領域 問番題号 問題のねらい P Q 県 国 到達率 県 国 到達率 聞くこと (放送利用) 〔1〕 英文を聞いて内容を理解し,質問に対し答える能力 40.5 53.5 75.7 37.0 38.0 97.4 話すこと 〔2〕 語を発音する能力 43.2 57.1 75.7 37.4 39.6 94.4 〔3〕 アクセントとをつけて語を発音する能力 35.1 63.0 55.7 27.7 40.5 68.4 〔4] 文をくぎって読む能力 70.6 79.7 88.6 63.9 66.9 95.5 読むこと 〔5〕A 英文を読んで,その内容を理解する能力 49.2 60.7 81.1 43.8 46.0 95.2 B 文の内容についての質問し答える能力 67.1 81.9 81.9 59.2 65.2 90.8 C 英文の意味を日本文であらわす能力 7.0 27.6 25.4 3.4 5.3 64.2 (完全正答) (完全正答) 〔6〕 二つの節を結んで意味のとおる英 文を構成する能力 44.4 63.9 69.5 32.5 35.1 92.6 書くこと 〔7〕 副詞,付加疑問文,動詞の時制, 前置詞についての運用能力 49.2 66.2 74.3 38.9 45.0 86.4 〔8〕 与えられた日本文の意味を表わす ように英語の語句を並べ変えて文を構成する能力 36.7 67.4 54.5 21.7 28.7 75.6 〔9〕 文の中で,名詞の複数形,形容詞 の比較変化,動詞の活用の運用能力 25.5 47.8 53.3 16.8 21.0 80.0 〔10〕 与えられた,英文の意味を変えな いで,他の英語に書き換えて文を構成する能力 24.7 50.7 48.7 14.0 19.4 72.2
6 高等学校選抜学力検査結果の調査
(1) 調査の目的
高等学校入学志願者選抜学力検査結果の調査は,昭
和33年以来引続いて実施されているもので,これは選
抜のための学力検査問題をより妥当性のあるものに,
より信頼性のあるものに築き上げることを目的として
行なっているものである。
従来の結果にでたらめの回答による正答が混入して
いることに鑑み,「選抜のための学力検査問題は極力
でたらめの回答による正答を排除すべきである」,と
の立場から,本年度はでたらめの回答による正答の多
い問題の性格を捉えることに重点をおいた。
(2) 調査の方法
学力検査問題が高等学校の選抜目的にどの程度おお
じ得たかを検討する資料とするため次の調査を行なっ
た。
1 通常課程の小課程別の受験者・合格者数
2 通常課程の小課程別・教科別の合格者の最高・
最低および平均正答数
学力検査問題の妥当性・信頼性を検討するために各
高等学校から受験者数の15の1に当る標本を,受験番
号を用いた系統的抽出法によって抽出し,その抽出さ
れた受験番号に当る受験者の答案の提出を依頼した。
(3) 調査の結果
ア 小課程別の志願者・合格者数
36年度の県立高等学校通常課程―全日制―への志願
者は17,078名で,これを小課程別にみると普通課程はそ
の57.7%を占めその比率が最も多く,次いで商業の
14.4%,工業の13.5%の順となっている。
合格者は,14,717名でこれは志願者の86.2%にあた