教育年報1961年(S36)-161/193page

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 つぎに,時代名などを単に“ことば”として知って

いるだけでなく,その時代の特徴や歴史の流れの中に

占める位置などについての理解を深める指導法の工夫

が望まれる。

 今後指導にあたって特に工夫が望まれることとし

て,つぎのようなことがあげられる。

ア 世界史と日本史との時代的関連をつかませる。

イ 時代観念をはっきりつかませる。

ウ 史実を因果的発展的,にとらえて,時代の特色を

  把握させる。

エ 史実をぽつぽつと単独に理解するだけでなく,全

  体の総合的把握する力を養うこと

オ 学習形態のくふう。

 また,具体的教材に応じ,教師自らの研究と,工夫

が望まれることではないだろうか。
得点度教分布表

3) 得点度教分布について,2年,3年の個人別得点

 度数分布状況をみると,やや低い方え重みがかたよ

 っている。全段階に分布していることから,すぐれ

 た学力をもつもの,劣っているものが相当いること

 がわかる,今後は得、点25,30に位置する生徒の学力

 向上を期待したい。

    数学科

 全国中学校一せい学力調査における本県としての調

査結果を,誤答分析を通して学習結果を診断し,その

指導方法を改善する資料を提供する目的をもってこの

報告書を作成したものである。

 この一せい学力調査問題は,先般改訂された指導要

領の中学校1年,2年の内容を中学校2年,3年の生

徒を対象として,調査するためのテスト問題である。

 誤答分析の結果より陥り易い種々の問題点を明らか

にして,これをつまづきの原因と見なし,このつまづ

きの原因を除去することが学力向上えのつながる一つ

の道しるべと考えたわけである。

 この報告書の内容としては

 〔1 概説〕として調査問題の作成方針とねらい,

領域毎の平均正答率,および小問毎の正答率をのせて

全般的な考察を行ない。

 〔2 領域毎の考察〕として,数,式,数量関係,

計量,図形の5つの領域にわけて,領域毎に内容の分

析,指導法の反省および領域の特殊性などを取り上

げ,指導上の参考資料とし。

 〔3 学年としての考察〕では,第2学年第学3年

にわけて問題点を解明し,

 〔4 指導上の問題点〕では,全般的に眺めて,数

学科としての問題点を検討したものである。

 報告書として,内容的には不備の点もあることと思

うが,一応目を通すことにより,問題点を把握するこ

とができることと思われる。

 ここでは報告書の一部を取り出して,参考に供した

い。

(1) 調査結果の概要

1) 県平均点

  表 1
  第2学年 第3学年
平 均 56.7点 48.7点
期待度 70.0点 60.0点
到達率 81.0% 82.8%

 2年56.7点,3年48.7点の平均点である。これ

を全国的な位置づけとして比較検討することが考えら

れるが,只今のところその発表がないので,本県とし

て自己批判という形で評価してみたい。

 この程度の問題では,平均点として,2年70点 3

年60点は期待したい。この本県としての期待する値を

期待度と考えれば,これにどの程度到達しているかを

示す値が到達率である。(表1参照)

 このように到達率を求めてみると,2年で81・0%3

年で82.8%と相当期待はづれということになる。

 勿論本県としての期待度がどのよな位置づけで表わ

すかによって,到達率は違ってくる。

 しかし期待される平均点は,これより低いというこ

とは考えられない。なぜなら1)2年,3年とも1学年

下の指導内容より基本的な問題が提出されていること

2)全問題4ないし3個の選択肢による解答であるこ

と(これはテストにおいて,選択肢による解答は選択

肢の数が4個なら,1/4の確率でわからなくても正答と

なる可能性があることとなり,100点のうち25点はわ

からなくても点数を取ることができるという不確実さ

が加わるため)したがって,表1のような到達率を,

もって高める方策として,指導法の改善に力をそそぐ

ことが必要であると思われる。

2) 領域毎の平均正答率表


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