教育年報1961年(S36)-172/193page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

書館運営に関する専門的技術的相談にあずかる必要が

あるように思われる。

        昭和36年10月13日

            福島県立図書館協議会

 この答申案について解説の必要は認められない。と

にかく「いたちごっこ」のように,施設設備を充実す

ればそれだけ学生層が増えることは,既に上記のとお

りである。

 そこで,神奈川県立川崎図書館などでは,思い切っ

て一般社会人の利用するスペースを大きくとり,そこ

には学生及び白線浪人は入れない。初めは一般社会人

が来館しないのではないか,という心配があったけれ

ど,今はもうそういう心配はない。

 当館においても,思い切って一般社会人の利用でき

るスペースを増大すべきときに来ている。もしこのま

まで進めば,監査委員の指摘を待つまでもなく,一般

社会人の利用は益々減少するのではないか。

 4)閲覧室としては,第一読書室,第二読書室,第三

読書室の三つしかない。特別参考室と展示室は,12

月から3月までの受験期における臨時措置である。

福島県立図書館2階

 一般社会人の声としては,「溢れ出るような学生諸

君を目の前にしては,とても図書館の中に二度とやっ

て来れない」とか,「図書館はもっと静かなところに

して,じっと考えたり,資料についてゆっくり相談し

てもらえる場所にしてほしい」とか,「学生とは違

った入口で,違った場所で勉強できるようにしてほし

い」とか,注文は種々雑多であるが,共通していえるこ

とは,学生諸君にさまたげられない部屋の準備を願い

たいということである。

 学生はどちらかというと「場所借り」である。昭和3

5年度の館内利用者は,約10万人であるが,そのう

ち7万5千人が学生諸君である。残りの2万5千人が

一般社会人といいたいところであるが,実はその半数

が「無職及び主婦」であって,いいかえると,これは

白線浪人なのである。だから,純粋に一般社会人は1

万2千人そこそこである。

 ところで,この10万人が利用する図書であるが,

僅かに5万冊強であって,ことばをかえていえば2人

入館して1人しか本を借りていないわけである。
福島県立図書館3階

昭36.月別一日平均入館利用者

昭36.月別一日平均入館利用者

(2) ブックモビール,分館,その他

 図書館の内部で「館内奉仕」というのは,次の二つ

のことを意味している。

 イ 図書館に来て,入口で「館内利用票」をもらい

   図書館資料を借りても借りなくても, とにかく

   腰をおろして勉強した者

 ロ 図書館に来て,入口で「館内利用票」をもらい

   それ以前において手続きを了して既にもらって

   おいた「館外利用票」をカウンターに提出して


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。