教育年報1961年(S36)-179/193page
とがむずかしくなったので,年度当初にあたって整理
規程の作成を計画し,受入,分類,目録,排列の諸規
程の作成にとりかかった。
一方県内の学校図書館の発展と,公民館図書部の充
実によって,整理も着々行なわれているが,まだ独自
の方法でやっているとか,整理の方法がわからないの
で,図書を買っても整理に迷っているところもある。
そのため,日本十進分類表新訂7版が完成したのを機
会に,分類と目録の講習会を36年10月25,26
日の二日間,国立国会図書館司書三塚俊武,
学習院図書館事務長関野真吉の両氏を講師に招いて,
郡山市図書館において開催した。また,図書館実務講習会を
勿来市と原町市において開催する予定であったが37年
度にもち越された。
1 図書館資料の牧集
(1) 館内奉仕用と館外奉仕用
県立図書館には資料センターとしてのはたらきと,
県内全地域の住民に対して読書の機会を与えるという
はたらきの二つが考えられる。当館においては,この
ことを建前としてすべての図書館活動がなされている
一つは,基本図書の充実と郷土資料,行政資料等の収
集によって,インフォメーションサービスと,研究,調
査の場を提供し,二つには,分館活動,移動図書館,
青少年巡回文庫などによって県民に読書の機会を与え
読書会の育成と文化事業を行なっている。これらはす
べて図書館資料が基盤となるもので,資料の収集が,
図書館において重要な位置を占めることはいうまでも
ない。
それで当館においては,図書館資料を館内奉仕用と
館外奉仕用とに分けている。館内奉仕用のものは,本
館備えつけとして,文献や参考図書の基本図書,
郷土資料等に重点をおいている。本年度は蔵書目録の
産業篇を刊行することになっていたので,特に産業関係の
資料の充実につとめた。館外奉仕用は移動図書館,
青少年巡廻文庫および分館に配本するもので,市内各層
から10名の図書選定委員を委嘱し,毎月1回図書選
定委員会を開き,市内の書店から持ち込まれた新刊書
から,青少年,婦人など一般の人達を対象としたもの
を選定してもらっている。
受入種別および分類別にみた本年度の年間増加冊数
は別表のとおりである。
昭和36年度分類別年間増加冊数
購入 寄贈 編入 計 館内奉仕用 総記 154 142 264 560 哲学 101 45 2 148 歴史 327 88 9 424
社会科学 472 340 134 946 自然科学 96 72 24 192 工学工業 108 62 44 214 産業 155 428 32 615 芸術 124 24 127 275 語学 74 3 6 83 文学 462 39 49 550 児童 218 3 221 小計 2,291 1,246 691 4,228 館外奉仕用 3,578 44 3,622 計 5,869 1,290 691 7,850 レコード 41 41
(2) 郷土資料と地方行政資料
本年度の努力事項の一つとして郷土資料および地方
行政資料の積極的な収集をかかげた。これらの資料を
収集するにあたっては,まず一般県民に対して,郷土
資料および地方行政資料が将来貴重な文化遺産となる
ことを認識させるために,資料展を開催,職員の研修
県内地方史研究動向の調査,第7回地方史研究講習会
の開催等の事業を押し進めながら,単に寄贈されてく
る資料を待つだけてなく,調査活動をもとにして,積
極的な収集活動を展開してきた。
1) 郷土資料
本年度,郷土資料として受入整理したものは,下表
のとおりである。
昭和36年度受入郷土資料冊数
分類\月 36 4
5 6 7 8 9 10 11 12 37 1
2 3 計 総記 5 1 2 23 4 8 43 哲学 6 6 歴史 9 1 8 36 1 4 1 2 3 3 1 69 社会科学 50 15 17 14 42 10 6 14 32 6 9 5 220 自然科学 3 1 2 1 2 9 工学 4 2 1 5 1 4 3 1 21 産業 42 10 7 1 12 1 9 6 10 2 23 4 127 芸術 2 1 1 1 1 6 語学 1 1 文学 5 1 2 2 5 1 2 18 計 119 29 29 25 129 13 26 25 47 27 38 13 520 この中で,寄贈された資料と,逐次刊行物の種類は
下表のとおりである。