教育年報1961年(S36)-183/193page

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とんど超満員の日が多く,日曜日には開館前から約3

00名近く玄関前にならび,開館とともに満員になり

係員は人員の手不足に悩みながらも,適切な体制をと

って奉仕に努めている。

 このように図書館利用者の82.5%は学生,生徒

によって占められているが,これら利用者の増加にと

もない,混雑防止の対策として,昨年12月座席を増

加しその緩和につとめた。

 なお,一般成人の方々には特別参考室を開放し,展

示室にも臨時に学生,生徒の読書室として24名分の

席をふやした。

各室名 座席増加数 現在各室収容員数
第1読書室 16 114
第2 〃 8 120
第3 〃 2 72
レフアレンス室   6
特別参考室 18  
展示室 24  
68 312

2) 快適な読書環境のなかで図書館を利用出来るよう

な対策

 前記にもあるように利用者の大半が学生,生徒と浪

人によって占められている関係上,とかく血気盛りの

若い学生,生徒の中には,望ましくない者も一部見受

けられ,専心勉学に励む学生,生徒や調査研究に余念

のない一般成人に対し,少なからず迷惑をかけ,著る

しく読書環境をそ害する傾向があった。そこで,その

対策として,市内高校,校外生活補導協議会の補導係

担当教員の協力を依頼し,本年1月から3月までの間

市内高校生の本館利用状況を巡視の上,好ましくない

学生,生徒の補導を行なう一方,公共施設利用につい

ても指導することとして,最も快適な読書環境のもと

で,学生,生徒も一般成人も図書館を利用できるよう

努めている。

 3 読書傾向

 利用人員は増加しても,利用冊数は半数に充たない。

これは学生,生徒利用者のうち84.6%は場所のみ

の利用にすぎず,図書館資料は利用していないからで

ある。

 利用冊数から読書傾向をうかがってみると,館内で

は36.5%をしめる児童図書を除いて,文学の7,

867冊がトップで雑誌,社会科学,歴史の順になっ

ている。文学が多く読まれているのは出版数からみて

も,また所蔵数からみても当然で,例年と変りなく,

これは全国的な傾向である。

 館外(個人貸出)では,やはり文学の3,456冊

を筆頭に社会科学,歴史,哲学の順になっており,館

内に比較すると2位以下においては全く異った傾向を

示している。然しこの傾向は大体例年と同じである。

  昭和36年4月〜昭和37年3月まで
職業別 職業別利用者数
館内 比率
中学生 17,031   17,031 13.3
高校生 60,131   60,131 46.8
大学生 18,686 (3,267) 21,953  17.1
教育家 394 (102) 496 0.4
官公吏 2,157 (1,549) 3,706  2.9
銀行・会社 1,687 (580) 2,267  1.8
農業 215 (32)  247 0.2
商業 395 (167)  562 0.4
工業・技術者 280 (164) 444  0.3
その他 2,019 (252)  2,271 1.8
主婦・無職 11,930 (475) 12,405  9.7
児童 6,863    6,863 5.3
121,788 (6,588) 128,376 100%
76,415 (4,099) 80,514  62.7
45,373 (2,489) 47,862  37.3
121,788 (6,588) 128,376 100%

註( )内の数は館外個人貸出を示す。

 開館日数,館内281日,館外263日 一日平均利用

 者数433.4人(25人)計458.4人

分類別 分類別利用図書冊数
館内  計 比 率
総記 2,105 (189) 2,294 3.7
哲学 1,024 (393) 1,417 2.3
歴史 3,050 (484) 3,534 5.7
社会科学 4,323 (1,196) 5,519 8.9
自然科学 2,564 (366) 2,930 4.7
工学・家事 1,629 (154) 1,783 2.9
産業 1,007 (156) 1,163 1.9
芸術 1,537 (293)  1,830 2.9
語学 1,403 (185) 1,588 2.6
文学 7,867 (3,456) 11,323 18.3
雑誌 5,862 (50) 5,912 9.6
児童図書 22,550   22,550 36.5
54,921 (6,922) 61,843 100%

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