教育年報1961年(S36)-189/193page
(D) 読書傾向
分類別\館別 本館 郡山分館 会津若松分館 平分館 白河分館 相馬分館分館 田島分館 計 比率 総記 5 45 13 56 75 7 8 209 1.6 哲学 14 118 28 36 106 32 15 349 2.7 歴史 23 326 61 43 92 39 32 616 4.7 社会科学 22 403 113 58 100 57 52 805 6.3 自然科学 8 121 12 11 27 26 24 229 1.8 工学 21 58 23 12 90 23 1 211 1.6 産業 4 54 17 16 23 13 37 168 1.4 芸術 852 133 12 18 55 19 25 283 2.3 語学 4 53 6 7 9 10 5 94 0.7 文学 852 3,179 1,221 1,185 1,529 1,595 320 9,881 76.9 計 961 4,490 1,506 1,442 2,106 1,821 519 12,845 100.0 3 青少年巡回文庫について
この文庫も今年度で7年目を迎えたわけだが,その
成果において,とかく批判されがちであり,文部省に
おいても一時は文庫補助金見送りをほのめかしたこと
もあった。しかし全国図書館界の要望によって従前通
り補助金を継続交付することに決定をみた次第である
そこで,本館でもこの文庫の利用を高めるために昨
年度から運営方針を根本的に立て直し,県下の4地区
(両沼,双葉,石川,東白川)を主なる対象に,文庫
重点奉仕主義の体制を整えて積極的な運営を実施した
まず,この文庫の利用団体にとって,最大のガンと
もいわれる,文庫輸送,回収問題を充分検討し,従来
のあなた任せのやり方を改め,本館のブックモビール
を活用し,それぞれの地域の公民館まで送り届け,回
収も本館で行たうようにして利用団体の時間的,経済
的負担の軽減をはかったので,利用団体からこの文庫
は歓迎されるきざしが見えはじめてきている。
(1) 青少年巡回文庫配布状況(別表3参照)
今年度の文庫配布状況は,箱数,冊数とも昨年度と
ほぼ同様で,図書の内容については大幅な改善を施し
た。新刊書による更新も,596冊を数え,図書の内
容については利用者の要望を汲みとり,教養書のみに
こうでいせず,文学書を相当編入して文庫編成を行な
い,県教委事務局出張所社会教育担当主事と協議の上
ブックモビールを利用し,地区公民館,あるいは部落
公民館の手元まで送り届け,利用者と直接文庫利用に
ついての話合をしながら文庫の配布を完了した。特に
両沼地区では,この文庫の効果的な利用普及をはかる
ため,県立図書館と県教委事務局出張所及び文庫利用
関係者の3者が会合し,研究集会を開いて文庫運営上
の問題点を持ちより,熱心に討議を交わしその話合の
中から最善の方法を見つけ出す方式を実施しているこ
とは注目に価いする。このように文庫に関心を示して
きたことは,文庫の将来の発展が期待されるものとみ
てよいでのはなかろうか。
(2) 青少年巡回文庫の図書はどのように新刊書を更新
したか。(別表4参照)
この文庫の更新については,従来までの読書傾向と
利用状況からみて,あまりにも文部省の選定基準にこ
うでいし,とかく教養書にウエイトをもたせたきらい
があったので,本県では別表に示すように文学書に主
体をおき社会科学,地誌,農業関係書の順に更新をし
て利用者の要望に副うように努めた。
別表3 青少年巡回文庫配布状況
県教育委員会事務局 出張所別 配置文庫数 配置図書冊数 両沼 30 854 東白川 15 428 石川 15 441 双葉 30 891 計 90 2,614 別表4 青少年巡回文庫用更新図書分類別内訳表
分類 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 冊数 12 11 34 68 16 13 33 10 12 387 596 4 読書グループの育成
図書館活動を展開する手段の一つに,読み仲間的な
読書形態の組織をふやすという最重要な仕事がある。
いわゆる集団読書による効果は大きく,読書普及にも
役立つばかりでなく,地域文化の向上,生活改善,
産業振興までにも蔭の力となっている。
そこで本館でもこの点を重視し努力目標にとりあげ
ている。この読書会と名のつく集団が県下にどの位あ
るかを調査した結果は,別表5のとおりである。一般