教育年報1962年（S37）-042/169page

　　　中学校第3学年に在学する生徒で,学業,人物と

　　もに優秀で,進学希望を有するが,経済的理由によ

　　り進学を断念することのないよう,予め奨学生の予

　　約採用を中学校在学中に行ない,高等学校進学後た

　　だちに本採用となる。

　　　中学校長の推せんにより,支部選考委員会を経て

　　予約採用される。募集時期は年1回10月頃。

　3)　高等学校,高等専門学校特別貸与(予約)奨学生

　　　上記の2)と同様の主旨で,中学3学年に在学する

　　生徒を対象とする。貸与月額は3,000円で,そのう

　　ち一般貸与奨学金(月額1,000円)相当を一定期間

　　内にて返還すれば,残額は返還免除となる特典があ

　　る。採用は上記と同じであるが,全国一律の学科試

　　験がある。募集は年1回5〜6月頃

　4)　大学特別貸与(予約)奨学生

　　　上記3)と同じであるが,対象は高等学校最高学年

　　に在学または,卒業後1年以内に大学進学を希望す

　　る生徒である。

　　　貸与月額は自宅通学者は4,500円,その他は7,500

　　円で,返還免除の特典は,大学一般貸与奨学生の貸

　　与月額(3,000円)相当を返還すればよい。高等学

　　校特別貸与(予約)奨学生と同じく学科試験が行な

　　われる。

　　　募集は年1回3〜6月頃

　　　県内の各奨学生の採用状況は次のとおりである。

日本育英会高等学校奨学生採用状況(38.2.25現在)

年度	区　　分	継続貸与	新規貸与								総　　計
			予約採用		1次採用		2次採用		追加 採用	合計
			応募者	採用者	応募者	採用者	応募者	採用者
		人	人	人	人	人	人	人	人	人	人
36	一般貸与	1,039	270	87	137	110	520	412	3	612	1,651
	特別貸与	297	317	143	―	―	―	―	122	265	562
	計	1,336	587	230	137	110	520	412	125	877	2,213
37	一般貸与	346	546	177	377	107	352	295	17	596	1,542
	特別貸与	390	450	237	―	―	―	―	3	240	630
	計	1,336	996	414	377	107	352	295	20	836	2,172

日本育英会予約奨学生採用状況(38.2.25現在)

年度	高校,高専校予約　(中学第3学年次)				大学予約(高校最高学年又は事業1年以内)
	一般予約		特別予約		特別予約(補欠が一般の予約となる)
	応募者	採用者	応募者	採用者	応募者	採用者	補欠者	合　計
	人	人	人	人	人	人	人	人
36	546	177	450	237	292	111	73	184
37	1,063	233	794	279	392	161	75	236

　(3) 奨学金の返還

　　　奨学金の返還は,卒業の6ヵ月後から20年以内

　　に,年賦,半年賦の方法で行なうが,病気,経済的

　　事由によっては,申請することによって返還猶予も

　　できる。

　　　また返還免除は次のようなものである。

　1)　死亡,不具,廃疾等により返還能力を失なった時

　　は申請により免除される。

　2)　大学の奨学生であった者が義務教育職に一定限従

　　事した場合。

　3)　大学院の奨学生であった者が,大学や特定の試験

　　所,研究所,文教施設で教育または研究の職に一定

　　限従事した場合。

　4) 特別奨学であった者が,一般貸与と同額の返還金

　　を規定どおり返還した場合,その残額を免除される。

　(4) 奨学生の補導

　　　本会の事業が国費で営まれているので,奨学生の

　　成業には社会の期待がかかっていることを全員に自

　　覚させるため,本会と奨学生の関係を単に金銭的の

　　みにとどめず,精神的なつながりをもたせ,充実し

　　た生活を送るように種々方法によって補導してい

　　る。これらの方法として「面接,相談,座談会」

　　「学業成績,健康,生活状況等の調査」「成績不振

　　者の督励」などを行ない,機関誌"育英"を年8回

　　ぐらい発刊している。

　　　また奨学生の外郭組織として,卒業した奨学生に

　　よって結成された「育英友の会」の全国的な組織が

　　あり,各支部と一緒に活動している。

4　母子福祉修学資金

　配偶者のない女子が扶養している生徒,または父母の