教育年報1962年(S37)-083/169page
「学習活動は学校環境からをモットーに」ということで
無言の環境づくりの時間を設けて学習効果をあげてお
り,校庭のケヤキを生活指導の中心として学習効果をあ
げて教育的価値と意義を見いだしている。
原町第1小学校においては,子供達に花を分けあたえ
て地域の環境づくりに及ぼしており,花一ばい運動を展
開して近親感をもたせ,生活指導,学習活動に大きな役
割りを果している。
須賀川市立第3中学校は新設校として,父兄,生徒市
立教職員一体となって新しい学校環境づくりの過程にあ
り,新教育課程に合せた構想の夢をいただきながら落ち
つきのある学校生活をさせたい意欲に燃えている。
県は,この事業をいっそう推進するために昭和36年度
にひきつづき県立学校環境緑化実施要項をつくり実施校
を指定した。
(1) 目 的
教職員生徒による緑化運動によって学校環境を整備
し,学習指導ならびに情操教育の向上に資する。
(2) 実施内容
1) 校地の緑化と整備
2) 緑化運動と関係教科ならびに特別教育活動の連
けい
3) 教材園,植物園等の設定
4) この運動を推進するための委員会,または,ク
ラブを組織して目的の達成にあたる。
(3) 研究期間 昭和37年4月から1カ年間
(4) 経 費
1) 事業費の県予算は1校10,000円程度である。
2) 事業の目的達成については,学校の実情により
創意くふうをし,地域の協力あるいは,緑の羽根
運動の参加等により,努力をすることがのぞましい。
(5) 表 彰
学校環境緑化コンクールをおこない,優良学校に
対しては,県森林文化祭にて表彰する。
(6) 報告書の提出
実施実績は文書(全罫紙4枚程度)に写真を添え
年度末まで教育長に報告する。
(7) 実施校
福島女子高校 福島工業高校
飯坂高校 梁川高校
川俣高校 本宮高校
安積高校 安積高第二部
郡山盲ろう校 石川高校
須賀川高校 白河高校
南会津高校 勿来高校
平工業高校 相馬高校
2 学 校 植 林
学校林の造成については,文部省通牒によって奨励さ
れてきたところであるが,なかでも戦後の荒廃した山林
に対する治山治水は国の大きな施策としてとりあげら
れ,学校においては単に愛林思想の涵養による森林資源
の確保や,学校基本財産の育成に資することは地域への
啓蒙もかねて大いに社会に貢献してきている。学校林育
成の過程において教育的価値の高いことは,いくつかの
事例が示している。
(1) 双葉郡川内小学校においては,挙村一致の体制で,
子供と父兄,村の共同作業によって植樹作業が行なわ
れ,下級学年は遠足をかねて上級生の作業の見学をする
という学校行事の中によく活かして生活指導の徹底を期
してい。
(2) 石城郡永井小中学校においては,村の篤志家の寄贈
による山林を母体として村の伝統を子供たちをとおして
長く継承するための植樹作業が行なわれている。
生活指導をとおして道徳教育が身近かに簡単な作業の
中から,理論や形式にとらわれずに実践され,生物を愛
する教育の人間形成に果す役割の大きいことが実証され
ている。
3 学校植林推進委員会
(1) 学校植林,環境緑化研究校
昭和37年度研究校として次の9校を指定し,各校に
対し研究補助金として,5,000円ずつ交付した。
・学校植林
川俣町立小島小中学校(信夫)
西会津町立奥川中学校(耶麻)
田島町立檜沢中学校(南会津)
三和村立永井小中学校(石城)
岩瀬村立岩瀬中学校(岩瀬)
・環境緑化
信夫村立鳥川小学校(信夫)
棚倉町立社川中学校(東白川)
浪江町立苅野中学校(双葉)
猪苗代町立月輪小学校(北会津)
(2) 学校植林,環境緑化コンクール
本年度参加校は,学校植林12校,環境緑化20校にお
いて実施し,その結果は次のとおりである。