教育年報1962年(S37)-144/169page
(D)計 量 ・図形の面積や体積を求める
・三角比の計算(E)図 形 ・三平方の定理についての理解
・投影図を読む ・円周角と中心
角との関係についての理解 ・論
証についての能力
(3) 学力検査問題の標準化のための標本決定にあたって
は,学校規模による層化を行ない,児童生徒を学級単位
にして小学校1,000名,中学校1,300名標本校は小学校
42校,中学校29校を目標として比例割当てによる無作為
抽出を行なった。なお各出張所管内に標本校が選定され
るような考慮を払った。
学力検査は3月12日(中学校)13日(小学校)に各出
張所の指導主事がおもむき,テスターとして全般的な管
理運営にあたり,各学校のテスト補助員によってテスト
を実施した。
テスト結果にあらわれた各小間の正答率と標準化した
換算Tスコーアは「学力検査の手引」で示したとおりで
ある。
この学力検査問題は学年末や学期初めに用い,学習指
導の反省や計画の資料にするためにある。希望で実施す
る学校は年々増加し,県内の半数を占めている。
7 全軍共同研究
全国教育研究所連盟では,昭和36年度より3カ年計画
をもって「学習指導法改善のための実証的総合研究」の
主題のもとに,国語・社会・数学・理科の部会を設けて
共同研究にあたっている。本県では国語科に参加し,六
角所員が担当しているので,その経過を述べることにする。
(1) 研究題目
国語科学習における読解力の形成とその指導に関する
研究
(2) 研究目的
読みの機能に即した児童生徒の読解の様相を明らかに
して,そこに読解力形成の契機を捉えて,読解力を高め
るための効率的な指導法を研究する。
(3) 研究の計画
この研究のねらいである,望ましい読解指導法を生み
だすためには,望ましい指導法の仮説が設定されなけれ
ばならない。またその検証がなされて指導の理論が構成
される。この過程を次のように計画する。
第1年次
児童生徒の読解の様相を明らかにし,読解力形成の諸
契機を捉えて仮説設定の視点を打出そうとするのが第1
次研究である。こめために,児童生徒の読解過程を分析
することが1次研究の内容となる。
第2年次
第1次で明らかになった読みの機能とそこに見出され
た読解力形成の諸契機に立脚して,望ましい読解指導法
の仮説を設定し,これを検証する。
第3年次
第2次研究の結果に基づき,読解指導理論を構成し,
その一般化をはかる。
(4) 研究の経過
本年度は第2年次の研究にあたっているので,前期に
おいては読解力形成の契機を見出すための研究,後期に
仮説設定のための研究というような立案を行なって,次
のような経過で研究を実施した。
1) 全国共同研究集会
4月24日〜26日 東京都立研究所
2) 東北地区集会
6月26,27日 天童市
3) 9月13,14日 秋田市
4) 全国共同研究集会
10月25〜27日 新潟県教育研究所
5) 東北地区集会
12月4,5日 福島市
この間,全国研究案の枠内において東北地区独自の研
究をもすすめてきた。また,研究の資料を子どもの学習
過程に求めるため,7月11日より18日まで,安達町立油
井小学校5年生の約90名を対象にしてペーパー調査と学
習・教授過程を記録しこれを分析した。この結果につい
ては,全国教育研究所連盟より「読解力の形成とその指
導」として出版し,市販されているので参照されたい。
第4節 付属図書館
教育調査研究所の付属施設としての図書室は内容の充
実と簡単な貸出し方法により益々利用度を深めてきた。
現在 図書 8,885冊
の蔵書を備え教育関係者,大学学生を利用の対象として
教育専門図書及び教育資料各県研究紀要,各学校実践記
録,研究物,各教科資料等があり教育の現況を知り研修
に役立つものと思われる。
今年度は前年度に引き続き破損及び時代の要求にみた
応じられぬ図書及び資料の整理に力を入れて来た。
利用者状況一覧
昭和35年度 昭和36年度 昭和37年度 一 般 168 0 6 学 生 182 165 56 出 張 所 198 289 908 計 548 454 970