教育年報1963年(S38)-036/180page

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 ら推薦された者について,支部選考委員会を経て採用

 される。貸与月額1,500円,募集は年2回4月と9月

 頃に行なわれる。採用状況は表(B)のとおりである。

2) 高等学校,高等専門学校一般貸与奨学生採用候補者

  中学校第3学年に在学し,学業,人物ともに優れて

 いて進学希望を有する者が,経済的理由により進学を

 断念することのないよう,予め奨学生の採用候補者と

 して中学校在学中に決定しておき,高等学校または高

 等専門学校に進学後ただちに奨学生となる。貸与月額

 1,500円,中学校長の推薦により支部選考委員会を経

 て候補者となる。募集は年1回9月頃に各市町村教育

 委員を通じて行なう。

3) 高等学校,高等専門学校特別貸与奨学生採用候補者

  前記の2)と同様の主旨で,特に学業に優れ家計の苦

 しい者を対象とする。貸与月額3,000円(うち高専校

 の自宅外通学者のみ4,500円)でそのうち一般貸与奨

 学金(1,500円)相当額を一定期間内に返還すれば残

 額は免除となる特典がある。

  中学校長の推薦により支部選考委員会を経て候補者

 となるが,毎年8月1日に全国一律の選考試験がある。

 募集は年1回5月頃に各市町村教育委員会を通じて行

 なう。

4) 大学特別貸与奨学生採用候補者

  高等学校最高学年在学生または,卒業後家庭の事情

 により進学しなかった者および大学検定合格者及び科

 目合格者について進学の希望を有するが,経済的理由

 により進学を断念することのなきよう進学前において

 予め採用候補者とし決定する。大学(国立義務教員養

 成が課程を除く)に進学後ただちに奨学生となる。

  貸与月額は自宅通学者5,000円,自宅外通学者が8,0

 00円で,一般貸与奨学金(3,000円)相当額を一定期

 間内に返還すれば,残額は免除となる特典がある。

  高等学校長の推薦により本部選考委員会を経て候補

 者となるが,毎年8月1日全国一律の選考試験があ

 る。募集は年1回5月頃。各高等学校を通じて行なう。

5) 教育特別貸与奨学生採用候補者

  主旨は前記の4)と同様である。特に義務教育教員の

 質的向上に資するため,教員としての資質優秀な学生

 を国立大学義務教員養成学部に誘致することを目的と

 する制度であるので,候補者となっても国立大学の義

 務教員養成学部・学科・課程に進学しなければ奨学生

 とし取扱われない。(他の大学進学の場合は無効となる)

  貸与月額・返還・募集については,前記4)に同じで

 ある。但選考試験は行なわず支部選考委員会を経て候

 補者となる。

  2)〜5)までの各奨学生採用候補者についての採用状

 況は表(C)のとおりである。

 (3)奨学金の返還

 奨学金の返還は,卒業の6か月後から20年以内に年

賦,または職場単位の月賦にて返還するが,病気・経済

的事由または,進学のためおよび返還免除職に就職した

場合には申請により返還猶予もできる。ただし,滞納分

については半年毎に5分の延滞利子が徴せられ,悪質滞

納者には強制執行等の措置がとられる。

 また返還の免除が認められるのは次の場合である。

1) 死亡・不具・廃疾等により返還能力を失った場合

2) 大学の奨学生であった者が教育職に一定限従事した

 場合

3) 大学院の奨学生であった者が,大学や特定の試験所

 ・研究所・文教施設で教育または研究の職に一定限従

 事した場合。

4) 特別奨学生であった者が,一般貸与と同額の返還金

 を規定どおり返還した場合

 返還猶予・免除のいずれにせよ規定の様式により申請

しなければならない。

 (4)奨学生の補導

 本会の事業が国費で営まれているので,奨学生の成業

には社会の期待がかかっている。このことを奨学生に自

覚させるために,本会と奨学生との関係を単に金銭的の

みにとどめず,精神的なつながりをもたせ,充実した生,

活を送るよう,各学校の協力を得て種々な方法により補

導している。これらの方法として「面接・相談・座談会」

「学業成績・健康・生活状況等の調査」等を行ない,全

国的なつながりを持たせるために機関紙“育英”を年数

回発行している。

 また育英会の外郭団体として,高校・大学を卒業した

奨学生で結成されている「育英友の会」の全国的な組織

があり各支部と一緒に活動している。


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