教育年報1963年(S38)-047/180page
学校管理
第1節 教職員異動の概要
1 小中学校関係
昭和38年度末人事異動にあたっては,教職員組織の充
実を期し,その適正な配置を行なって,教育の刷新向上
をはかるよう努めた。
小中学校においては,児童生徒数の自然減にもかかわ
らず,学級編成基準の改正にともない231名の教職員増
をみることができた。さらに高等学校急増対策と事務局
職員の適正な交流には特に配慮した次第である。
異動件数は,小中あわせて3,608件となったが,その
内容の主なものをあげると
(1)へき地とへき地外の交流については,特にへき地
交流区分をさだめ,計画的に推進した。その結果とし
て,へき地より平地,都市575名,平地,都市よりへ
き地に455名の異動をみることができた。
(2)永年勤続者についても,交流を行い,各校の教員組
織の適正化をはかった。
(3)高校教員の定数増に伴ない,小中学校より130名を
高等学校に配置替えをしたが,そのことにより小中学
校の運営に支障をきたさないよう最大の努力をはらっ
たが,今後教科組織の上から慎重に検討してみなけれ
ばならない。
(4)新採用については,小中あわせて554名を採用する
ことができ,本県教育界に清新の気を注入することが
できた。
2 県立学校関係
高等学校においては,校舎および部から3校が独立校
に昇格し,生徒募集定員も200名の増加があった上に,
高校急増期第2年目の進行増によって,高等学校の総生
徒定員は167学級11,520名の増加となったので,教員定
数も297名の増加となったほか,非常勤講師50名の増加
があったので,年度末人事は,昨年に引続き,新採用の
配置と,これに伴なう交流が異動の主体となったのであ
るが,交流にあたっては,全日制と定時制間,都市中心
校と周辺校間の交流につとめ,その数は130余件に達し
ております。
高等学校事務職員については,学校数の増加や生徒数
の増加があったにもかかわらず,定数の増加ができなか
ったので,各校の実態に即応する再配置計画により,例
年にない大巾な異動を実施しました。
盲学校ろう学校においては,標準法の改正もあって,
教員7名,寮母9名の増加があったほか退職者や転出者
の後任採用のため21名を小中高等学校現職者および大学
新卒から採用または転補し,これまで比較的異動の少な
かった盲学校ろう学校に新風を吹き入れ,また,希望者
6名の高校転出が実現し高校との交流の実を挙げること
ができました。
養護学校においては,教員8名,寮母4名の増があり
ましたが,新設第3年目であるので,年令,教職経験年
数等の均衡を保つため,小中学校および盲ろう学校から
の転補を主体として教職員組織の適正を期したのであり
ます。
以上県立学校の異動総件数は,昨年度より僅かに少い
が868件にのぼり昨年度につづいて大巾なものとなりま
した。
3 小中学校教職員の任用
教員の新採用について
昭和39年度福島県公立学校教職員採用選考試験を10月
20日,21日の2日間にわたって実施した。これは教員確
保の施策として実施したのであるが,志願者数は,大学
新卒者および一般採用志願者をあわせると小学校205名
中学校465名に達した。
新採用にあたっては,前年同様厳選して適格者を得る
方針のもとに,身体的諸条件の審査,筆答試験,第一次
第二次面接を実施し,その成績を勘案して特に現教科等
の需要度の高い教科の教員には採用内定を,その他の教
科については教員確保の面から採用予定の通知をし,有
能者を得るよう努力した。
1)なお,筆答試験は小学校志願者については全教科,中
学校志願者については,各教科別に行ない,実技試験
は中学校高等学校の音楽,美術,工芸,書道及び体育
の志願者についてのみ行なった。
2)新採用者の配置については,県下全域の教員組織の充
実と将来の広域交流の観点から,出身外に採用するこ
とを原則とし,都市,農村,へき地と全域にわたり配
置した。その数は小学校304名,中学校227名におよんだ。
4 校長の新採用
本年度の校長採用志願者は,367名で,昨年より88名
減となっている。そのうち新校長として抜てき採用され
たものは,小学校61名,中学校27名,計88名で,昨年の
65名と比較すると23名という多数の増である。
また,今年度末の退職校長68名に対し,88名の新校長
が誕生し,退職校長の数より新採用校長が20名の増とな
ったのは,分校の昇格,兼任を解いては校長を配置した