教育年報1964年(S39)-045/232page
福利厚生
第1節 公立学校共済組合福島支部の事業概況
昭和39年度当初における当支部の組合数は21,546人で,被扶養者数は31,428人であったが,12月末においては組合
員数22,180人,被扶養者数32,416人となっている。共済組合員1人当りの被扶養者数は,全国平均では1,62人である
が当支部廿は1.46人の割合である。各事業の実施状況等については下記のとおりである。
1 共済組合員数,被扶養者数,給料月額 (39年度期首)
区分 共済組合数 被扶養者数 給料月額 男 女 計 人 人 人 人 円 一般組合員 13,600 7,930 21,530 31,404 711,793,900 船員一般組合員 16 16 24 293,300 計 13,616 7,930 21,546 31,428 712,087,200
2 所属所数 (40.4.1現在)
小 学 校 576校
中 学 校 319校
高等学校 89校
(盲ろう,養護学校を含む)
公共幼稚園 36校
事務局その他 27校
医大,短大 2校
計 1,049校
3 短期給付の給付割合 (昭和39年度)
昭和39年度における当支部の短期給付の給付割合は下
図のとおりである。
「短期給付畜業」
(1) 経理はどうなっているか
昭和39年の掛金収入額は222,312千円で組合員1人
当り10,105円となっておりほぼ同額の県負担金がある
ので短期経理の収入額は444,857千円となっている。
給付額は,法定給付と附加給付で(図1)のとおり
505,299千円で60,442千円の赤字を生じたが,この不
足分は本部の回送金で補てんされたわけである。
24/1000の掛金,負担金率は昭和29年にきめられたもの
で,赤字を生じた場合は前述のように本部回送金で補
てんされる制度になっているが,全国をプールして経
理する建前から昭和37年までの9年間はこの掛金,負
担金率で支障なく運営されてきたが昭和38年度の決算
では全国で8億2千万円の赤字を生じ,昭和39年度で
は約30億円の赤字が予想されており,今までの積立金
は大体なくなり,掛金,負担金率の引き上げは必至と
予測される現状である。
(2) 赤字の原因はどこにあるか
赤字の原因は短期給付額の91.9%を占める医療費の
値上りである。
組合員,家族ともに受診率,受診日数があまり増え
ていないのに医療費が急に上昇したことは診療単価が
値上がりした内容によるものである。
その割合は昭和35年度を100とすると昭和38年度に
は149.1という驚くべき上昇を示している。
この原因は従来保険で使用できなかった薬剤の種類
や量がかなり自由に使用できるようになったことであ
る。すなわち昭和38年1月からは一般新薬660品目が
加えられ,さらに同年4月からはそれまで臨時的に使
用が認められていた415品目が正式に使えることにな
り,その他若干の改正がありかなり広く手直しが行な
われ,それが医療費の増加に拍車をかけたことになっ
ている。
このことは国内での医薬品生産が非常な勢で増えて
いることからも立証される。昭和35年度の生産を
100とした場合昭和37年度では147と50%近くも増えて
2,660億円にも上っている。