教育年報1964年(S39)-072/232page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

を確保することが何よりもまず必緊のこととなる。

 (1) へき地優先の人事行政の推進

 「昭和39年度末小中学校教職員人事に関する方針」に

おいても重点方針の一つとして「へき地学校の教職員組

織の充実を期するため,都市,平地,へき地相互間の交

流を促進する」ことをあげ,「実施方針」の中において

も「都市と農村およびへき地との計画的な交流を行う」

ことを明示している。

 これらの方針をうけて,「人事実施要項」の中におい

て「へき地交流」の人事を計画的かつ慎重に行うように

明示されている。この中より必要なところを抜すいして

みる。

1) 県内の地域を次のとおり区分する。

 ア 各管内の学校をA,B,Cの3地区に区分する。

  A地区学校  市,主要町村の学校

  B地区学校  平地の学校

  C地区学校  へき地の学校 (人事委員会,へき地

         教育振農会,出張所の各指定学校)

 イ 全県下の学校をA,B,Cの3地区に区分する。

  A地区学校  旧4市の学校 (福島,郡山,会津若松,平)

  B地区学校  A,C地区以外の学校

  C地区学校  各管内の人事委員会指定のへき地学校

2) 地域交流

 ア 昭和28年度以降採用者のうちで,へき地学校勤務

  の経験のない者については,都市または平地の学校

  に2年以上勤務の後に原則としてへき地学校(管内

  外)に転出させる。

 イ 相当期間へき地校に勤務し,都市または平地の学

  校に転出を希望する者については,優先的に考慮す

  る。

   相当期間とは校長3年以上,教員2年 (ただし,

  へき地教育振興会指定および出張所指定のへき地校

  は3年以上)とする。この場合断続も通算する。

 ウ 管内の地域交流は1)のアの区分によって行なう。

  ただしAからA,CからCの交流は原則として行な

  わない。

 エ 管外の地域交流は1)のイの区分によって行なう。

  ただしAからA,CからCの交流は原則として行な

  わない。

 以上のほか,へき地優先の人事として,とくに新たな

ものとして人事実施要項に明文化されたものとして注目

すべきものとしては,へき地派遣制度と校長,教頭へ昇

任の場合に,へき地勤務の有無が資格要件として示され

たことである。

1) へき地派遣教員

  都市または平地の学校に勤務する教員のうち,とく

 にへき地教育に熱意を有する成績優秀な中堅教員を選

 考し計画的にへき地検に派遣し,その教育実践をとお

 してへき地教育の振興に役立て,当該教員が相当期間

 勤務し,その勤務実績良好な場合は抜てき人事等の優

 遇措置を講ずることになった。今後この制度によって

 年々へき地検に優秀な中堅教員層が多くなり,へき地

 の教育実践が高まることによってへき地学校の学力向

 上が期待される。

2) 昇任の場合の資格要件

  校長に昇任させる場合はへき地校2年または農山村

 5年以上の経験を有することが巧須の資格栗件とさ

 れ,教頭の場合もへき地学校または農山村の経験を有

 する者から選考されることになった。このことは,平

 地とへき地との交流のみならず,優秀な中堅教員の抜

 てき,へき地に中堅教員をおくり将来教頭,校長また

 は指導主事に抜てきの道が開かれたものである。

 (2) へき地教員の経済的優遇策

1) へき地教育振興法が制定されて,同法によって市町

 村または,県の任務とする事務に要する経費は,その

 2分の1を国が補助することとして積極的な施策を要

 求しており,これらは,スクールバスの購入,へき地

 集会室の建設,および,へき地学校勤務琴職員の研修

 費として1人年間3,000円(昨年度2,500円)の支給等

 として実現されている。このほか教員住宅の建築・あ

 っせん,医療の問題,へき地教員子弟の寄宿舎設置の

 問題,福利厚生等の問題等も考えられつつある。また

 へき地度の高い分校に赴任する教師に対しては赴任旅

 費を支給することになり,今年度はとりあえず,4級

 地,5級地に赴任する教師に支給された。このほか多

 学年学級担任手当の増額の問題があるがこれは今後実

 現をみる日が近いことと思われる。

2) へき地勤務の困難さ,勤務環境の特殊さ等の観点か

 ら,へき地性の強弱に応じた級別区分に応じた給料月

 額と扶養手当額の合計額に1級は8%2級は12%3級

 は16%4級は20%5級は25%を応じて得た額をへき地

 手当として毎月支給されている。

  これはへき地に勤務している教職員に経済的な裏付

 けをしていく,いくらかでも安心してもらうためのも

 のである。

3) へき地教職員の特別昇給制度の実施

  今年度最大の朗報は特別昇給制度の実施を見声こと

 である。昭和39年10月1日から実権し,9月県議会に

 おいて484万5千円の予算が議決された。

  これは人事委員会指定のへき地1級地から5級地の

 指定校全校を対象とし,勤務教職員1.295名にに支給

 された。その概要は次のとおりである。

 昇給短縮の区分は,1年勤務について

  5級地,4級地が6か月短縮昇給 (2年間勤務で1


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。