教育年報1964年(S39)-082/232page
校教育」の編集をいっそう充実させ,これを隔月配布し
た。また,「授業充実の手引」の姉妹篇として前年度の
「各教科指導の要点」につづく「授業充実の実際」を腿
集して配布し,有効な現職教育の伴りょとなるようはか
りた。
5 学校教育指導の重点事業
(1) 学力向上の推進
1) 新教育課程の完全実施
教育課程研究集会の効果的運営につとめ,実践的課題
について討議を重ね,教育課程の編成,指導上の問題
点の解決をはかった。
2) 授業充実のための研修の強化
ア 学習指導法講習会,数学教員講習会,山村教育研
究会,複式学級指導法講習会その他の講習会,研究
会を開催し,指導力の向上をはかった。
イ 学力向上推進校(小・中)8校,研究学校(高校)
7校を指定し,学習指導の個別化,指導過程の合理
化等授業充実の課題について実践的研究を深め,そ
の普及をはかった。
ウ 学力検査および診断の実施と活用につとめた。
3) 自主的教育研究団体の育成強化
福島県小学校教育研究会はじめ10団体に対し総額320
万円の財政的援助を行ない,研究態勢の確立と研究意
欲の高揚をはかった。
4) 研究奨励
教職員研究奨励金を学術研究(1万円)について10名
教育の実践的研究(3,000円)について32名に対して
奨励金を交付し,研究意欲の高揚をはかった。
(2) 道徳教育,生徒指導の徹底
1) 道徳教育講習会を県内17会場,1,700名を対象に開
催し,全体計画,年間計画の整備,指導過程の構造
化,指導方法等について解明し,道徳の時間の的確な
実施をはかった。
2) 文部省指定道徳教育研究学校(小・中各2校),生
徒指導推進校の運営による研究実践の推進と成果の普
及につとめた。
3) 生徒指導研究協議会を開催し,生徒指導の機能,指
導技術について理解を深めるとともに,学校における
生徒指導の組織の強北に努めた。
(3) 科学技術教育,産業教育の強化
1) 理科教育講座,各種実技講習会等を開催し,担当教
師の実験,実習に関する看指導力の向上をはかった。
2) 内地留学による農業,工業,商業関係教員の資質の
向上をはかった。
3) 理振法7,産振法の適正な執行による施設,設備の充
実と指導法の改善をはかった。
4) 理科教育センターを工費6,200万円をもって建設
し,理科教育に関する研修の殿堂が実現した。
(4) 特殊教育の振興
1) 特殊教育研究集会を開催し,指導法上の問題解決を
はかり,特殊教育の充実をはかった。
2) 国内大学に長期研修生を派遣して資質の向上をはか
るとともに,特殊教育の体質改善に努めた。
第2節 現職教育計画
学力向上のための現職教育については,免許法認定講
習,校長研修会,教頭・主事研修会,英語教員講習会,
新採用教員講習会,校長・指導主事研修講座派遣,校長
等海外教育事情視察派遣,教職員研究奨励,各科実技講
習会,数学指導法研究会等を計画実施した。そのおもな
ものについて略記する。
1 免許法認定講習
教育職員免許法にもとづく本年度免許法認定講習は,
夏期免許法認定講習と幼稚園保育内容研究講習会(免許
法認定講習)が開催された。
(1) 夏季免許法認定講習
1) 会場地 郡山市,会津若松市,平市
2) 期 間 昭和39年8月1日〜8月10日
3) 実施状況
会場 一般・専門の別 科目 受講者数 付与単位数 郡山市 教科専門科目 音楽 35 35 〃 図画工作 46 46 〃 農業 17 17 〃 工業 50 50 教職専門科目 体育科教材研究 42 42 〃 音楽科教材研究 42 42 特殊教育専門科目 点字の理論と実際 25 25 〃 言語指導の理論と実際 42 42 〃 異常児の病理 67 67 〃 聴覚音声生理と病理 40 40 〃 視覚生理と病理 37 37 会津若松市 教科専門科目 図画工作 37 37 〃 体育 23 23 教職専門科目 音楽科教材研究 33 33 〃 図画工作科教材研究 35 35 平市 教科専門科目 体育 27 27 〃 音楽 16 16 教職専門科目 図画工作科教材研究 31 31 〃 体育科教材研究 9 9
ア 小・中学校教員コースにおいては,本講習会全体
の規模が昨年から縮小となったために,昨年と同じ
く実技教科を重点とし,その他の教科は大学の通信
教育により履修することを期待した。このことは来
年度以降も同様と考えられる。