教育年報1964年(S39)-105/232page
第7節 産業教育
昭和39年度は,国策に基づく産業教育の振興に対応
し,さらにはまた第2年次をむかえた高等学校入学志願
者の急増に備えるため,産業教育振興法第3条の任務の
うち,
1 産業教育に関する教育内容および方法の改善
2 産業教育に従事する教員の現職教育
3 産業教育の実施について,産業界との協力の促進
4 産業教育に関する施設・設備の充実とその整備
に重点をおいて下記の事項を実施した。
1 産業教育に関する教育内容および方法の改善
に係わる事業
(1) 高等学校教育課程(職業教育関係)研究協議会の
開催
改訂教育課程の実施上の諸問題点を解明し,あわせて
教育内容・方法の改善を図るため,県研究集会を実施す
るとともに,各学科の教員代表者15名を文部省主催の全
国集会に参加された。
(2) 産業教育指導者養成講座の開催
高等学校の産業教育担当者のうち指導的立場にあるも
のを5名文部省主備の当該講座に派遣するとともに,二
本松市においてその伝達講習会を開催して,産業教育等
の教育内容および方法の改善について協議した。
(3) 定時制・通信制教育研究会の開催
定時制・通信制の両課程は,後期中等教育のうちの職
業教育拡充方策の根幹であり,当該課程の教科編成は主
として職業に関する教科目を中心としているので,それ
らの特殊性に沿った教育内容および方法の改善について
岩瀬農業高等学校を会場とし,200名をもって研究協議
した。
2 産業教育に従事する教員の現職教育に係わる
事業
(1) 工業教員奨学生制度の実施
工業教育の充足を促進するため本年度も,各大学の工
学部に在籍する者を対象として奨学生制度を設けこれが
確保を図った。
(2) 農業教育近代化に伴う長期研修の実施
農業高等学校の体質改善に伴い,教育内容および指導
法の改善が必要となったので各大学・試験場に教員7名
を派遣して研修を実施した。
(3) 商業高等学校体質改善に伴う長期研修の実施
最近の事務機構ならびに事務の機械化に即した教育を
実施するため,各企業・大学等に教員を10名派遣して研
修を図った。
(4) 工業技術の革新に伴う長期研修の実施
技術の革新に即応した工業教育を実施するため,産業
教員等10名を各大学・工場に派遣して,技術の研修を図
った。
(5) 高等学校産業教育講習会の開催
産業教育関係の実習助手・助手等の資質向上のため文
部省主催の同講習会に参加させるとともに,会津農林高
校・郡山高・須賀川高教・郡山女子高校を会場として実
技の研修を図った。
(6) 中学校技術・家庭科講習会の開催
当該教科担当教員のうち,指導的立場にあるものを文
部省主催の当該講座に参加させ,資質の向上を図るとと
もに県内の会場においてそれが伝達講習会を開催し実技
研修を図った。
(7) 進路指導講座の開催
改訂教育課程の実施に伴い,進路指導が中学校・高等
学校の教育活動上,重要な位置を占めることとなったの
で,指導的立場にある教員を,文部省主催の同講座に10
名派遣するとともに,県内伝達講習会を開催した。
5 産業教育の実施について産業界との協力の促
進に係わる事業
(1) 高等学校と技能教育施設との連携の緊密化
学校教育法第45条の2の規定により,協三工業株式会
社と福島工業高等学校とが連携を図っているが,これが
指導内容および方法等の充実を期して連携の緊密化を更
に図った。
なお,これが類型として福島第二高等学校が昭栄製糸
株式会社内に福島第二高等学校昭栄教室を開設している
のでこれが充実を図った。
(2) 産業教育振興団体の助成
産業教育の振興のためには,各種振興の協力にまつと
ころが多きいので,福島県産業教育振興会に対し助成を
し,その充実を図った。
4 産業教育に関する施設・設備の充実とその整
備
(1) 新設課程設備・設備
国策としての産業教育の振興ならびに,生徒急増に備