教育年報1964年(S39)-106/232page

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えるため,特に工業教育の振興の見地から施設・備の充

実について,昨年に引き続き,年次計画を推進した。

 (2) 設備更新

 昭和27年当時に産業教育設備台帳に登較されたもの

で,老朽損耗の度の甚だしいものについて設備の更新を

図った。

 (3) 一般設備

 技術革新に即応した教育を実施するために必要な一撃

設備の充実を図った。

 (4) 産業科施設・設備

 産業界に活躍している子弟の短期の産業教育の充実を

図った。

 (5) 分校施設・設備

 分校教育の充実は本県の重要課題であるので60人以上

常に在籍する中心校の充実を図った。

 (6) 一般施設

 産業教育の全般的な施設改善を図るため,充実率の低

い学校から計画的に充実した。

 (7) 農業教育近代化促進

 農業教育の近代化は,福島県の重要課題であるので,

特に,園芸,畜産等を中心としてこれが充実を図った。

 (8) 商業高等学校体質改善

 企業の近代化・技術の革新に即応するため事務機械を

中心とした設備の充実を図った。

 (9) 中学校技術・家庭科の充実

 技術・家庭科の設備充実の状況が,全国的水準から下

回っているので,各地方教育委員会に対し,これが充実

について指導を強化した。

 (10) 普通または商業高等学校家庭科設備の充実

 普通高校・商業高校における家庭設備は,女性の一般

教養指導のため必須のものであるのでこれが充実を図っ

た。

  第8節 へき地教育

 本県におけるへき地教育学校は小規模校や分校が多

く,教育的環境にのめぐまれず,教材教具の充実率も低

位にある。そのような山村,へき地学校に勤務する教員

の現職教育として,本年度実施した小規模校研究協議

会,複式指導計画倒説明会,山村教育研究会,文部省指

定研究学校発表会を開催した。山村へき地学校に勤務の

教職員を対象とした各行事について,その概況を述べ

る。

1 小規模学校研究協議会

 (1) 期 日 7月8日

 (2) 会 場 郡山市立芳山小学校講堂

 (3) 研究主題

 小規模学校の経営について,とくに学習指導と管理上

の問題の研究協議を行ない,管理者としての資質を高め

教育の改善と向上を図ることを目標においた。

 (4) 研究発表会

1) 「本校における現職教育をどのようにすすめている

  か」    福島市立余目小学校教頭 丑率辛男

  算数学力における陥没点を取りあげ,その学力を向

 上させるための指導法を問題とし,研究領域を重点化

 し,基礎研究をじゅうぶんに行ない,研究課題のは握

 や研究方法について理解の統一をはかり,授業研究に

 は分析的方法を取り入れ,記録をもとにした授業研究

 を実施した。この研究の結果から「望ましい授業案」

 の作成をするにあたっては,授業の合理的存組織化を

 じゅうぶん意図するようになり,研究の進め方,その

 まとめ方などについての見通しをもつことができ,各

 自の研究態度が合理的になったとの発表であった。

2) 「教育効果をあげるための本校と分校の連絡提携は

  どのようにしたらよいか」

      耶麻郡西会津町立尾野本小学校

             教 頭  武藤雄一郎

  新潟県境に位置する学校で,本校と分校との気分的

 格差の解消として,新卒の教師は本校2年の研究を経

 て分校勤務にあたる。本校分校の往来が多くなるよう

 な機会をつくり望ましい人間関係を育てるのに努力し

 た。現職教育においても,つねに本校,分校共同で研

 究体制をつくり研究を進め顕著な実績をあげることが

 できた。

3) 「指導効果をあげるための教材教具の活用をどのよ

  うにしたらよいか」

      須賀川市立小塩江中学校教頭 平岩敏雄

  授業の近代化をはかるために,研究の内容と方法が

 科学性の原則をつらぬき,いま迄の授業研究の成果を

 土台にして,さらにくふう,発展の方向に進めてい

 る。

  授業参観にあたって次のような観点をおさえた。

 〇 学習のねらいや指導内容にてらして授業の進め方は

  どうか。

 〇 学習活動の計画に即して,生徒が積極的に学習にと

  りくんでいるか。

 〇 時間や資料や教具がくふうされているか。

 〇 発問,板書,ノート等について適切な指導がなされ


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