教育年報1964年(S39)-107/232page
ているか。
(5) 分 科 会
1) 校長部会〜学校管理面。
2) 教頭部会〜現職教育の望ましいありかた。
3) 分校主任部会〜学習指導と分校経営についも
それぞれの分科会においては,参加者の日頃の問題点
がじゅうぶんにだされて,今後の小規模学校経営の指針
となる事項が話し合いされ意義ある研究会であった。
最後に文部省初等中等教育局初等教育課文部事務官遠
山順一先生の「わが国のへき地教育の実態と今後のあり
かた」について講演があり会員一同感銘をうけた。
2 山村教育研究学校発表会
(1) 中通り方部
1) 会場 福島市立中野小学校
同 大滝分校
2) 研究主題
山村,へき地,小規模校における管理運営の万全を
はかり,児童,生徒の学習意欲を高め,学力の向上を
はかるためにはどのようにすればよいか。
3) 第1分科会
ア 研究主題
「小規模校」分校における事務処理はいかに能率
化すべきか」。
イ 研究発表者
柄白川郡鮫川村立西山小学校長 森田清
福島市立梨平小学校 教諭 小田雄
ウ 研究内容
現場の教師は事務に忙迄されているが,事務処理
を合理化し能率化することによって,事務労働を軽
減し教師本来の仕事にうちこめるようにちることが
たいせつである。そのためには,学校事務をあらい
だし事務分類によって能率化を図るとか,事務能率
の標準化,事務配分の適正化,事務処理機構の合理
化等を図ることによって,それぞれの学校の実態に
即した解決法をくふうし実践することが肝要である
という結論に達した。
4) 第2分科会
ア 研究主題
「小人数学級児童,生徒の学習意欲を高めるため
にはどのような施策を考えるべきか」
イ 研究発表者
福島市立山之内小学校 教諭 目黒穆雄
安積郡熱海町立熱海小学校 教諭 先崎泰
ウ 研究内容
教材の精選,児童,生徒の自主性,主体性を導び
いていくような学習指導法のありかた,学習訓練,
視聴覚教材の効率的な活用等実践から生まれた貴重
な発表があった。
山村における子どもたちは,学習環境条件がわざ
わいして経験領域もせまいので視聴覚教材の導入を
考えていきたい。
5) 第3分科会
ア 研究主題
「へき地性の欠陥を改善するにはどのような配慮
をなすべきか」
イ 研究発表者
岩瀬郡天栄村立湯本小学校教諭 佐久間 修
伊達郡川俣町立小島小学校校長 黒 須 惣 助
ウ 研究内容
へき地性は,自然的条件と文化的条件の両面から
つくられるものであるが,教育という立場では,特
にへき地における文化的条件の改善に努力し,とざ
された社会になり易い地域社会を,開かれた社会に
するように努力する必要がある。
特に,望ましい人間関係をつくりあげることを通
して,社会性を養うように努力することがたいせつ
であるという結論に達した。
(2) 県南方部
1) 期日 10月30日(金)
2) 会場 東白川郡鮫川村立西山小学校
3) 研究主題
「山村,へき地,小規模校における学習意欲を高め
るために読みの力をどうつけるか」
4) 研究発表
西山小学校教諭 富氷紀雄
ア 意欲的に学習に取りくませるための学習構成
魅力のある学校であるとともに,暖かい教師であ
り,児童ひとりひとりを励ますことが指導そのもの
の第1要件と努力した。
イ 物的環境構成上に留意していかねばならない。
教室環境については学習の予告板,計画板,各係
活動が認められたりする係表,組織表を掲示した
り,上掲のくふう,楽しいコーナーを設けるといっ
た配慮が必要である。
ウ 意欲をたかめの指導法の改善
主体的に取りくむ学習,目的的学習をねらいとし
て,一時間一時間の学習において,子どもひとりひ
とりが明確な目的(課題)をもった学習活動である
ようにする。
エ 準備のよくうらづけされた学習
教師の準備はもちろん,児童の学習にたいする心
構えと学習に必要な準備がたいせつである。
オ 学習の個別化を考える。
発問,ノート指導,板書のくふう,導入,作業化