教育年報1964年(S39)-108/232page
された展開,まとめということの中で,主体的に学
習に取りくませ,注意を集中させ学習の個別化をは
かり,意欲を持続させていことを力点において指導
する。
カ 家庭での学習についての対策
家庭での学習に子ども達が意欲的に取りくめるよ
うに,また家庭での学習が授業に生かされることに
よって意欲的な学習が営めるようにしたいというこ
とから,ひとりひとりが,自主的に課題をもってで
きるような家庭での学習の計画を立てさせるよう努
めていることなどを中心に強調された。
5) 分科会は低,中・高学年ともに共通テーマとして
「学習意欲を高めるための読みの力をどうつけるか」
のもとに研究発表がなれ活発な研究討議がもたれた。
(3) 浜通り方部
1) 期日 10月29日
2) 会場 石域郡川前村立川前小学校
ア 研究主題
「山村における児童,生徒の学習活動を活発にす
るにはどうすればよいか」
イ 研究発表
学校経営と問題点
川前小・中学校長 大平幸男
ウ 研究内容
望ましい学校の建設を目標に絶ゆまざる研究と実
践を歩み。山村という地域の中で教師も子どもとと
もに自身と誇りをもち,学力の充実と体位の増強に
努力している学校経営の姿が発表された。教育四領
域にわたりひずみのない経営がなされている。
エ 研究発表
「算数の授業を活発に進めるため水道方式による
学習指導の具体策」
葛尾小学校風越分校教諭 五十嵐昭英
複式学級における算数授業の活発化について,水
道方式による学習指導の実践をとおしての研究発表
であった。
〇 計算の指導体系が明確に確立されている。(基数
加減から多位数加減まで一貫したルールで)
〇 教具が10進構造をよくあらわしているので数の構
造,量感が記憶されやすい。
〇 限界のある暗算をあとまわしし筆算を優先させて
いるので安定感のある学習ができる。
複式学級における困難な算数学習指導について貴
重な体験発表であり参加者に感銘をあたえた。
午後から分科会がもたれて,山村,へき地におけ
る学習指導を中心としての研究協議がもたれて意義
ある会であった。
(4) 会津方部
1) 期日 11月5日(木)
2) 会場 南会津郡下郷町立南小学校
ア 研究主題
「へき地において学習意欲を高め学力を向上させ
るための指導をどうしたらよいか」
イ 第1分科会
「小規模学校(分校)経営と環境整備について」
ウ 研究発表者 翁島小学校教諭 国分八郎
奥川小学棟教頭 武藤敬一郎
南小学校教頭 猪股宏平
エ 研究協議
学習指導法,地域社会との連携,現職教育の効率
的な運営,直接経験の乏しい山村の児童,生徒にた
いしての施設,設備の活用等について話し合いがな
された。
3) 第2分科会
ア 研研主題
「複式学級における学習指導について」
イ 研究発表者 磐梯小学校教諭 中東稔
宮下小学校教諭 為田光意
南小学校教諭 佐藤正典
ウ 研究協議
学年別の目標を明確にとらえ,画一的な指導より
も,個人指導の徹底をはかり,教材教具の選択と活
用が論議の中心となって研究が進められた。
4) 第3分科会
ア 研究主題
「算数科において基礎的能力を身につけさせるた
めの指導はどのようにしたらよいか」
イ 研究発表者 大久保小学校教諭 五十嵐チヨ
久保田小学校教諭 金子孝威
南小学校教諭 鈴木久男
ウ 研究協議
計算力と文章題解決力のちがい,文章題の指導
(図式を用いての指導,作間指導)といったところ
に焦点をあてて話し合いがもたれた。
特に五十嵐教諭からは分校におけるキイペットの
活用の結果について,誤答分析の結果からの貴重な
資料が提出された。
5 文部省指定校中間発表会
(1) 期日
(2) 会場 双葉郡浪江町立津島小学校
文部省においては,へき地教育に関する重要な課題を
研究し,その成果を公表して,へき地教育の改善とその
振興に資する目的で,へき地の学校または複式学級を緩
成する小学校および中学校に対し,全国で46校を指定し
ている。本県においては,本年度浪江町立津島小学校が
指定された。