教育年報1964年(S39)-127/232page
学習成績と学習時間との相関関係を調査。
学習の質や知能偏差値との相関関係を調査。
各教科で予習の方法と,その予習に直結した授業の
あり方を研究。
2) 研究経過
生活指導部とH・R・T,学習指導部とC・R・T
によって研究を分担した。
同教科担任の連絡を密にし,各教科指導の充実を図
った。生徒実態態調査は目的の確立,方法の検討,活
用等について研究を図った。
教育課程の研究としては,指導内容の精選,重点
化,指導法,中学校との関連,家庭学習との関連等に
ついて研究した。
テストのあり方の分析研究を行なった。
3 福島県立平工業高等学校
(1) 課程,学科 全日制機械科,精密機械科,電気
科,電子工業科,金属工業科,土木科
(2) 研究主題 学力向上に関する研究
上記主題の研究を進めるにあたり,特に,どうす
れば生徒の学習意欲を高めうるか,学習指導上どう
すればよりよい学習効果をあげうるかに焦点をあて
て研究を進めた。
(3) 研究成果
1) 研究方法
生徒の実態調査,学習指導計画の立案と効果的な指
導法の研究
2) 研究経過
工業高校教育の特異性とその使命,現下の工業界に
おける要望,生徒の学習能力の実態,生徒の学習意欲
等について,各種アンケート,実態調査,テスト等を
実施し,研究のよりどころとした。
教科内容の難易度,重要度を調査し,指導内容の精
選と重点化を図り,組織化するとともに実際に役立つ
有力な年間指導計画を作成した。この場合,就職後の
アンケート,国家試験の内容等を子細に検討した。
この年間指導計画は,授業充実のための大きなより
どころとなっている。すなわち,指導の目的と内容を
明確に知り,また指導の力点,単元展開,指導方法の
骨組みを知り,関連する試験問題の作成等,効率的な
学習を進めるための基盤をなしているのである。
4 福県県立磐城農業高等学校
(1) 課程,学科全日制,農業科,畜産科,園芸科,
生活科,別科産業科
(2) 研究主題 学校経営,学習指導,生活指導の三領
域から学力向上に関して総合的な研究を行なう。
(3) 研究成果
1) 生徒の実態調査実施
出身分布が広範囲,通学生が多い。
2) 学校経営では,農業高校の体質改善に重点をおく。
地域農業の実態に即する自立農業経営者,技術者養成
を目的とし,施設設備の充実に力を注いだ。
3) 学習指導では,生徒の実態に即する学習指導法の研
究を行なった。
指導計画の作成,考査問題の研究 (答案の分析研
究),いっせい学力テスト実施,授業時数の確保と時
間厳守,現職教育の充実(授業研究)等。
4) 生徒指導では,週番勤務の強化,模擬面接,校門指
導,登校指導,服装,遅刻等の指導,所持品のいっせ
い検査,校外補導の強化,家庭訪問の実施,個人指導
等(生徒指導は学力向上の基盤をなすことの認識にた
つ)。
生徒の実態を適確にとらえ,学校教育全領域から改善
充実をはかる。特に身ぢかに実行できることでその効率
的なあり方を検討するとともに,生徒の学習意欲を高め
るためのくふうに力を注いだ。
また,学習環境の整備を図るための施設設備の充実に
は積極的な努力をはらった。
5 福島県立若松女子高等学校
(1) 課程,学科全日制普通科,家庭科
(2) 研究主題 学力向上についでの研究
各教科の指導目標に沿って,生徒の学力を生徒の
実態に即しながらより高次に引き上げるのが学力向
上の本質と考える。
(3) 研究成果
1) 学力向上研究の中核となり実践を推進する委員会を
構成した (教務,各教科,生徒指導,進学指導,就職
指導,図書館施設の各1名と学年主任より成る)。
2) 実態調査を生かす (家庭学習,知能検査,家庭環
境,進路,基礎学力テスト)。
3) 指導法その他の研究と実践
教師の一方的な知識の注入による観念的な指導をさ
け,より具体的感覚に訴える視聴覚教材の活用を図っ
たり,生徒の経験(既有知識)を生かす学習指導,個
別指導,添削指導,補習等の効率的な実施,教材事例
の研究,考査問題の研究等を行なった。また,現職教
育としての校内研修は,授業研究を中心として行なっ
た。
4) 自主的な学習意欲を高める指導
学習意欲をもりあげるために,豆テストの実施,各
種テストの成績発表,緊密な家庭連絡,学業不振者と
の面接による学習障害の診断と治療,各種検定試験へ
の積極的参加,学習法のためのオリエンテーション等