教育年報1964年(S39)-143/232page

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待となっていることはいうまでもない。心身ともに重要

な時期にある青少年の能力を可能な限り開発してゆくこ

とこそ教育が果たさなければならない当面の課題であ

る。

 本年は,福島第二高等学校と昭栄製糸株式会社との産

学連携による学習方法の研究が行なわれ,新しいケース

として育成しながら管理運営,生徒指導等の課題と取り

組んでゆかなければならない。

1 昭和39年度定時制通信制教育講習会

 昭和39年度新規事業として標記講習会を12月3日より

5日まで岩瀬農業高等学校において約100名の参会者を

得て盛大に開催された。

 勤労青少年教育は,その対象者が多様な生活を営んで

いることや,年令的にかなりの差があることなどによっ

て多くの問題点を包蔵しているものである。

 したがってこの会では,上記の問題点をふまえて,

「高校学校学習指導要領に示されている内容を指導する

場合,具体的に如何なる計画をたてればよいか」につい

て研究討議がなされた。

 特に,定時制,通信制に学ぶ生徒の実態に即した具体

的指導法および指導効果をたかめるための施設設備の問

題がとりあげられ熱心に協議されたことはきわめて有意

義であった。

 なお,後期中等教育における「望ましい人間像」が世

論をわかしている現在,各位におかれてもさらに本県の

実情に即した教育形態,方法をさらに研究くふうされる

よう今後のご努力を期待したい。

(1) 目 的 高等学校における定時制,通信制の現状を

      分析し,問題点について検討を加え,学習

      指導面に活用できるよう研究討議を行ない

      教職員の資質の向上をはかることを目的と

      する。

(2) 参集者 県下定時制通信制教員約 100名

(3) 講 師 前教育次長 (文部省中等教育課専門員)

                 鮫島文男

      郡山工業高等学校長  大原亨

  演 題  「定時制通信制教育当面の課題」

    「新産都市指定に伴う産業教育のすすむべ

     き方向について」

  助言者  指導室長  栗原喜蔵

        指導主事  佐久間俊忍

        指導主事  佐藤貞子

        指導主事  塩田諭

 第1分科会 (昼間定時制部会)

   農業科家政科普通科の運営はどのようにしたら

   よいか  資料提供者 大平分校長 久納緑

 第2分科会 (通信制部会)

   本校と協力校との連けいはどうあるべきか

   集団入学生に対する学校の生活指導はどうあるべ

   きか   資料提供者 福島高校主事 笹川民蔵

 第3分科会 (夜間定時制部会)

   教育課程の運営ならびに集団入学をどのよとに位

   置づけるか(産学提けいとの関連について)

        資料提供者 福島二高   菊地平松

 第4分科会 (定時制家政科部会)

   家政科の運営(教育課程・指導内容・方法,施設

   設備の効果的運営),現職教育はどのようにある

   べきか  資料提供者 各学校からの代表者

2 文部省研究指定実験学校発表大会

指定校  福島県立会津高等学通信教育部

家験題目 「定時制教育と通信制教育の併修」について

研究期間 昭和38〜39年2か年間

研究発表 昭和39年9月7日(月)

講  師 文部省初等中等教育局中等教育課

                菱村幸彦氏

(1) 実験学校研究経過報告 主事  佐藤情麿

(2) 定時制教育と通信制教育の併修について

             教諭  小松達雄

 ア 昼間定時制との併修

  〇 地理的条件     〇 職員組織

  〇 地域生徒の要望  〇 教育課程の編成

 イ 夜間定時制との併修

(3) 通信教育と青年学級の提けいについて

             教諭  大久保善市

(4) 准看護養成成との提けいについて

             教諭  増井次郎

 む す び

(1) 併修は強化されなければならない。

 ア 就職を希望する定時制生徒のために

 イ 労働条件から定時制高校の授業時間数確保が不可

  能な生徒のために

 ウ 僻地の農業後継者育成のために

(2) 定時制との併修をすすめるにあたって陸路となるも

 の

 (ア) 入学料,入学検定料,授業料を2重納入すること

  このことは,条例改正,国の補助が必要となる

 (イ) 教育課程に関する問題

   学科の分割履習を認める法的措置を考える必要が

  ある。(二つの学校で履習した単位のいずれか1校

  のみ認定することになっている。)

(3) 定通併修をすすめるために

  独立校の設置によって分校を包含すること


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