教育年報1964年(S39)-166/232page
現在県指定文化財の件数は次のとおり
1) 有形文化財 (昭40.3.25現在)
建造物 絵画 彫刻 書跡 工芸品 考古
資料民俗
資料計 8 7 32 9 37 12 5 110
2) 史跡名勝天然記念物
史跡 名勝天然
記念物天然記念物 計 16 4 47 68
3 文化財の保存事業
昭和39年度に国庫補助,県費補助を受けて保存事業を
行なった文化財は次のとおりである。
種別 名称 事業内容 所有者
(管理団体)総額 国庫補助 県費補助 地元負担 重要文化財 勝常寺薬師堂 屋根葦替 勝常寺 5,400,000 4590000 540,000 270,000 〃 木造千手観音立像 解体修理 大蔵寺 3993000 3,395,000 399,000 199,000 史跡 新地貝塚 保存施設 (新地村) 200000 100,000 20,000 80,000 天然記念物 赤津のカツラ 保存施設 (湖南村) 228000 114000 23,000 91,000 計 9,821,000 8,199,000 982,000 640,000
4 文化財の調査
(1) 熊野神社総合調査
喜多方市慶徳町の熊野社神は,会津地方における熊野
修験の中心をなしたところで,宝物類も多く特に熊野信
仰に関しては,ほとんど解明されていない現状にあるの
で,喜多方市教委ならびに神社関係者の協力を得て,各
部門の専門家による総合調査を実施した。その結果はじ
めて御神像が公開されたのをはじめ多くの成果をあげる
ことができた。
期 日 8月4日〜6日 (3日間)
調査担当 宝物類 二瓶委員,岩越委員,菊池委員
建造物 菊池委員,梅宮社教主事
熊野修験 山口委員,岩崎委員
喜多方文化財調査委員
(2) 古民家調査
産業開発,生活様式の近代化に伴って近世の民家が急
津に姿をけしていく現状から,昨年に引きつづき文化財
専門委員による各地の古民家調査を実施した。
調査員 草野和夫委員
7, 9〜10 矢祭町,塙町 対象 8戸
7,23〜25 磐城市,三和村 〃 9戸
8,24〜26 会津高田町,本郷町 〃 8戸
8,27 棚倉町 〃 1戸
1,18〜19 原町市,浪江町 〃 8戸
2,25〜27 相馬市,大熊町 〃 8戸
(3) 新産都市指定地区の文化財調査
1) 遺跡 (埋蔵文化財包蔵地)
新産業都市指定の常磐・郡山地区における土地造成
等が急速にすすみ,多数の遺跡が破壊されるので,こ
れら遺跡の実態を把握するため,関係市町教育委員会
単位に考古研究者の協力を得て調査を行なった。
ア 調査打合会
2月1日郡山市図書館,2月2日平市公民館にお
いて調査協力者ならびに関係地教委職員の参集を求
めて打合会を開き,調査計画とその方法,調査票の
作成要領等について打ち合せを行なった。
イ 調査実施
関係各市町村ごとに調査計画をたて,2月中旬か
ら3月中旬にかけて,調査協力者ならびに地教委職
員等による現地調査が行なわれた。
ウ 保存対策打合会
3月23日郡山市図書館,3月24日平市公民館に再
び調査協力者ならびに地教委関係職員の参集を求め
て,調査結果の検討と,破壊される遺跡の保存対策
について協議した。
(成 果)
この調査により新産業都市指定地区内の遺跡は既
に10数か所が破壊しまたは埋没したことがわかり,
20数か所が発掘調査等の緊急対策を講じなければな
くないことが明らかになった。
2) 民俗資料調査
新産業都市指定地区の開発事業が急速にすすめられ
るのに伴ない,この地球の生活様式等が急変し,貴重
な民俗資料が散逸する現況にあるので,緊急にその保
存措置を講ずる必要があるため,関係地教委の協力を
得て文化財専門委員(民俗担当)による該当部落の調
査を実施した。
3) 指定文化財の対策
新産業都市指定地区内の史跡名勝天然記念物で,