教育年報1964年(S39)-171/232page

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保健体育

 第1節 概   要

 昭和39年度は,国民待望の第18回オリンピック東京大

会が開催された誠に記念すべき年であった。本県から

は10名の選手を送り各種目にわたって大活躍をしたが

特に陸上の円谷幸吉のマラソン第三位は素晴らしかっ

た。数々の話題を残して大成功のうちに終了されたこと

は,我が国の誇りである。また大会の成功のためオリン

ピック国民運動が展開され,国民の総力をあげて精神的

援助をしたことはどの国にもその例を見なかったことで

ある。国内聖火リレーもりっぱにしかも厳粛に行なわれ

た。本年度の概要は次の通りである。

1 福島県営体育館の建築

 県営体育館は昭和39年8月に完成した。建築面積1,80

7.54坪,主競技場の面積511,03坪,収容人員約6,000名

総工費296,186,000円,各種の体育器具をはじめ,照明,

放送の設備をもつ東北に誇る体育館が竣工した。

 体育館の完成に伴い館長外7名の職員を配置し,信夫

ケ丘陸上競技場,相撲場,土湯スケート場の管理を体育

館に吸収して一元化をはかった。

2 水泳プール建設国庫補助事業

 国庫補助による水泳プールは15の設置をみた,プール

の総数は,小学校64,中学校23,高校9,市町村民用22,

その他4,計122となった。

3 スポーツ選手の強化

 国体の成績向上を努力目標に各種目とも選手の強化育

成に当った。新潟国体においては,天皇杯22位,皇后杯

38位であった。また高体連,中体連においてもそれぞれ

選手の育成につとめ,その成果は顕著である。

4 一般青少年スポーツの振興

 各市町村の体育指導委員の活発な活動により,各種の

行事が円滑に運営実施された。特にスポーツ教室の開設

により,住民のスポーツの普及につとめた。また,組織

づくりがとりあげられ,約半数の市町村に体育協会が結

成された。

5 スポーツ少年団

 本年度において約500の少年団が結成された。青少年

のスポーツ振興の基盤をこのスポーツ少年団に置いて結

成促進に努力した効果がよくあらわれた。さらに内容の

充実をはかるため,県内5方部において,指導者の研修

会を開いた。

6 学校体育の振興

 体育の研究校を中核として地域全体の学校体育の向上

をはかってきた。また,文部省主催の体育実技,格技講

習会をはじめ,水泳,スキーの講習会により,資質の向

上につとめた。

7 スポーツ振興審議会

 本年度は3回の審議会を開催した,優秀選手の育成強

化と,オリンピック終了後の本県スポーツのありかたが

中心であった。スポーツ人口の拡充の具体策として,ス

ポーツ少年団の結成促進と実業団スポーツの振興の二つ

の柱をたて,これらのもとじめとなる体育協会の組織の

拡充をはかることがとりあげられた。今後はこれが実現

にいっそうの努力が必要である。

8 学校病の撲滅対策を図った。学校病のうちで特にト

ラホーム・近視・むし歯・寄生虫については講習会を開

催し,関係者に対し理解を深めた。また,要・準要保護

児童生徒の学校病の治療に係る事務講習会を開催した。

9 最近学校における事故災害が続発する環状なので,

水死事故防止,交通事故防止など学校安全の管理と教育

に努力した。

10 教職員の健康管理では,特に結核の健康診断の結

果,有所見者について,精密検査および面接指導を行な

い健康管理の強化をはかった。

11 学校環境衛生の整備を図った。学校環境衛生の検査

の基準がだされたので,保健主事など学校保健関係者に

対してその内容について研修会を開催した。学校薬剤師

については,その職務内容であるので活発な活動の強化

を図った。

12 へき地巡回診療を実施した。山間へき地検は医療機

関から遠く,学校保健がおくれがちであるので,へき地

校に専門医を派遣して,へき地の学校保健の管理や教育

の強化につとめた。

 今後学校環境衛生,学校安全およびへき地校の学校保

健に対してはさらに努力が必要である。

13 学校給食の普及充実

 学校給食の普及は前年度に引き続いて順調な実施率を

示してきており,本年度末現在の実施概要は下表のとお

りである。

昭和39年度の学校給食実施校概要                           40.3.23

区分 小学校 中学校 幼稚園 高等学校 合計
校数 人員 % 校数 人員 % 校数 人員   校数 人員 校数 人員
完全給食 (2)
382
(998)
192,443
69.3 52 22,032 12.7       18 4,382 454 219,855


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