教育年報1964年(S39)-202/232page
塩の水液における実験溶液における実験観察と化学
反応式の結びつきについて)
(棚倉町立棚倉中) 古市敏
・ 生徒の思考のつまずきとその指導 (溶液,溶解の概
念形成におけるつまずきとその指導)
(泉崎村立泉崎中) 菊地敏雄
・ 細胞概念を高めるための学習指導 (単元「植物のつ
くりとはたらき」の実践と考察)
(金山町立横田中) 今井安富
5) 英 語
・ 文法事項を定着させる一つの試み (板書指導を中心
として) (岩代町立小浜中) 武藤淳一
・ Pupil-Pupil Dialogsをとりいれた授業 (Paftem
Practiceを発展させたものとして)
(須賀川市立須賀川二中) 蓬田文雄
6) 生活指導
・ 学習意欲を高めるための生活指導の方途
(西郷村立羽太小) 北村光男
・ 児童の自主性・創造性の育成(学級会や児童会活動
をめぐって) (浪江町立幾世橋小) 冨沢功
・ 児童の主体性の育成(学級会活動を中心として)
(新地村立駒ケ嶺小) 高橋省吾
・ 学級担任と生徒の人間関係の深め方
(富久山町立行健中) 国分善章
(4) 研修担当者
・ 教育研究,教育方法 (教育調査研究所長長谷川寿郎)
・ 教育心理 (指導室長栗原喜蔵,研究係長中野正彦)
・ 教育調査 (河野利作)
・ 国語 (長谷川磐雄,六角新之丞)
・ 社会 (若林宏道,古関二郎)
・ 算数・数学 (河野利作,山川和二)
・ 理科 (花沢繁,遠藤良孝)
・ 英語 (田崎宗寿)
・ 生活指導 (長谷川磐雄)
(5) 研修期間
昭和39年5月〜昭和40年2月
5月25日〜 5月27日 1月 5日〜1月 7日
6月 8日〜 6月10日 2月22日〜2月24日
7月27日〃 8月 1日 ※ 25日のべ127時間
8月17日〜 8月20日
10月28日〜10月30日
4 望ましい学習指導法の組織化の研究
(1) 油井小学校等を実験学校とする研究
1) 研究のねらい
「望ましい」とは,学習のそれぞれの過程で,つぎ
のことが充足されたときの状態をさすものと考える。
すなわち,知識や技術を獲得する過程では,「早く,
正しく,確実に」,それを保持する過程では,「長く,
正しく,確実に」,適用する過程では,「広く,正し
く,確実に」なされたときの状態である。したがっ
て,「獲得する」ときにすでに「適用」を考えておか
なければならない。
それには,家庭における学習を授業にくみいれ,学
習指導の個別化やたしかめの理論にささえられた学習
指導法を組織することによって,児童生徒ひとりひと
りが自主的,自発的に学習し,結果として,能率的,
効果的な学習が成立するものであろうと考えた。
2) 研究の経過
前年度に続いて,油井小学校,平野小学校,
半田醸芳小学校を,それぞれ実験学校に委嘱して,研究実践
にとりくんだ。
今年度は,各学級担任が,研究教科として分担した
国語,社会,算数,理科のうちの1教科の授業実践を
中核にしながら,他教科へそのワクを広げて研究にと
りくんできた。その間,研究所員が訪問して,授業の
参観をしたり,教科分科会,学年会で,共同で研究を
重ねたりして,研究資料の収集にあたった。ときに
は,授業分析を行なったり,学習状況などの実態調査
を行なったりしてきた。
また,10月には,本庁指導主事,県内各出張所指導
主事を対象とした研究内容中間報告会を,平野小学校
を会場として行なってきた。
県内各地からの参観希望も多いことから,公開授業
参観日を年間5回ほどにしぼり,主として,油井小学校
を公開してきた。2月には,伊達管内の教職員を対
象に,半田譲芳小学校を会場にして,研究内容を理解
する機会にしてきた。のべ,約3千ほどの参観者数を
みている。
3) 研究の内容
効果的な充実した授業を行ない,所期のねらいを達
成するには,授業それ自体を組織しなければならない
と考え,その組織化の対象を,3点にしぼってきた。
それらについて,明らかにされた点は,つぎのとおり
である,
ア 家庭における学習と学校における学習の組織化で
は,充実した効率の高い学習をさせるには,児童生
徒ひとりひとりに,共通のねらいを,的確にとらえ
させることがたいせつである,学習のねらいが,は
っきり共有されれば,ねらい達成のために設定され
る学習課題を,どうしても解決しなければならない
みずからのものとして,強く意識されることにな
る。そして,その解決のために鋭くたちむかうこと
になる。しかも,家庭学習によってつぎの学習のレ
デネスがじゅうぶん高められることによって,解決