教育年報1964年(S39)-206/232page

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   S校 (9学級)

  普通農村地域 W校 (6学級) O校 (6学級)

   A校 (9学級)

2) 調査対象生徒は2年生 (546名),父兄は2年生の保

 護者 (517名)

3) 学校調査,および,教職員の教育に対する意識,父

 兄の学校に対する意見,生徒の学習に対する構えなど

 の質問紙による調査の結果を比較検討する。

4) 学校を訪問し,教育の実態をとらえ,明らかにされ

 ている要因を確め,さらに中学校としての学力に影響

 をあたえている要因な明らかにするために事例研究を

 する。

5) 質問紙による調査の結果と,学校訪問による事例研

 究の結果とを総合的に検討する。

 (3) 研究経過

1) 調査対象標本の選定

  昭和39年6月23日,24日の両日実施の全国学力調査

 の結果から,地域類型ごとに,学校を成績の良い学校

 ―上位群―成績の悪い学校―下位群―に群化,上位群

 下位群の学校群から6学級の学校規模の学校1校ずつ

 と上位群で9学級の学校1校を抽出する。

2) 学校調査,教職員の教育に対する意識の調査

  この調査は昭和39年12月1日に実施した。教職員の

 教育に対する意識の調査は,学校長を除く抽出校の教

 職員65名に,無記名,厳封報告による方法で実施し

 た。そのおもな内容は,

  ・ 教職に対する使命観 ・教職員間の協力体制

  ・ 研修に対する構え  ・学習指導に対する構え

  ・ 勤務に対する構え

 学校調査内容は

  ・ 教職員構成 (学歴,専攻度,授業担当時数)

  ・ 生徒に関する事項 (知能検査,進学率)

  ・ 研修に対する事項 (研究歴・校内研修状況・校外

   研修への参加)

  ・ 学校行事 (内容,時数,授業に対する影響)

  ・ 学校経営に関する事項 (目標および,達成方法)

3) 父兄の教育に対する関心

  昭和39年12月1日,2年生の父兄517名に,無記名

 厳封報告による方法で実施した。おもな内容は,次の

 とおりである。

  ・ 家庭における教育的,文化的環境

  ・ 学校における学習に対する関心

  ・ 家庭における学習に対する関心

  ・ PTAや学校の施設設備に対する関心

  ・ しつけや中学校教育に対する関心

  ・ 子どもへの期待

4) 生徒の学習に対する構え

  昭和39年12月1日現在で540名について調査する,

 その内容は次のとおりである。

  ・ 授業中における学習に対する構え

  ・ 家庭における学習に対する構え

  ・ 自己評価に対する構え ・人間関係 ・学習環境

5) 事例研究

  質問紙による調査,観察による調車にはそれぞれの

 限界がある。そこで,これを併用し,学力におよぼす

 要因を明らかにする意図から,昭和39月11月26日から

 12月4日までの予定で,抽出標本校を訪問し,実態を

 とらえ,学力の要因を事例として研究した。そのとき

 の事例研究のため観点,方法は次のとおりである。

 ア 調査班の構成・方法

   調査研究には研究所員と抽出標本校の主管出張所

  主事があたり,調査班を二班編成し,各班の構成偉

  研究所4名,出張所1名計5名とした。

   調査研究は,授業参観,教育計画実施状況の調

  査,教員との懇談,学校長との懇談などによって行

  なう。

 イ 事例研究の観点

  (ア) 授業参観

   ・ 学習指導過程 ・ 指導技術 ・ 学習環境

   ・ 学習態度

  (イ) 教育計画と実施状況

   ・ 教育課程に関し ・ 指導案  ・ 学習指導資料

   ・ 評価診断資料  ・ 学級経営 ・ 授業実施時数

   ・ 現職教育関係

  (ウ) 教師との個人懇談

   ・ 学校,学級の事務処理 ・ 学習指導の識見

   ・ 構え ・ 指導上の問題意識 ・ 研修の問題

   ・ 学級経営

  (エ) 校長,教頭との懇談

   ・ 授業充実の助言  ・ 現職教育の推進

   ・ 事務処理の能率化 ・ 教育に対する父兄の関心

   ・ 教育方針,学校経営

  (オ) 全職員との懇談

   ・ 中学校教育に対する期待

   ・ 学校の教育における現状,問題点

 (4) 研究の結果

 学校調査,質問紙による調査,学校訪問による事例研

究の結果から総合的に研究を進めた。その結果について

次に,その一部を記載する。

1) 教員構成と学力

  教員構成は,男女の比率,学歴,免許状の習得状況

 経験年数,などの面から考察される。まず,学歴構成

 からは,下位群は上位群より比較的望ましい状況にあ

 るが,経験年数からの構成は,比較的短い方に多く分

 布している。このことから,直ちに結論づけることは

 問題があるだろうが,小規模学校では,経験年数が学


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