教育年報1964年(S39)-219/232page

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3 図書館利用調査の実施

 (1) 図書館利用調査

 調査対象はおもに館外貸出登録者の一般人,大学生を

主体として登録者1,446人中,常時利用推定人員1,000人

と見て,その10%,100人とし,可能なかぎり幅広く回

答を求めるということから,3月1日〜6日の6日間に

わたって調査を行なった。100人中回答を提出してくれ

たのは91人で,一般人56人,学生35人となっている。

 質問の内容および回答人員は表9の通りであるが,各

項目についての結果を十分に検討して今後のサービス向

上につとめなければならない。

 表9について以下若干の説明を加える。

1) の2階一般室の公開図書については,現在約7,000冊

 の図書が自由に閲覧できるようになっているが,回答

 からしても,また県立図書館としての規模からして

 も,多少座席数を犠牲にしても現在の倍の冊数が備え

 られなければならないだろう。

2) 分類別にもっとも利用する順に記入してもらったも

 のだが,文学,社会科学がやはり多く,芸術がこれに

 次いでいるのは,趣味,娯楽,スポーツ等もこの部門

 に含まれているということもあろう。

3) 時々刻々に出版されたものが「ある」か「ない」か

 については,一般男子の場合相半ばしているが,これ

 は現在わが国で年間出版される点数が20,000点のう

 ち,図書館に備えられるものが2,000点ということか

 らすれば,むしろ「ない」が大半を占めても不思議で

 はないだろう。

5) レファレンスの資料となる図書を備えるという前提

 から,かりに問うて見たのであるが,学生と一般人と

 では相反した結果を見せている。やはり公共図書館は

 幅広い性格のものであり,収書にあたっては,特に一

 般人の意向は尊重されなければならない。

6) 申請手続きには問題はないが,貸出冊数・期間につ

 いては,ある程度の資料の充実が見られた今日では,

 冊数,期間の増延を行なってもよいと考えられる。

7) 具体的に出た事項を類別にまとめたものだが,最後

 の「県外の大学生…」の項を除いては殆んどが一般人

 の声であり,日常いろいろなことに多忙な一般の人々

 が1時間でも2時間でも暇を見つけて図書館に足を運

 ぶのであるから,図書館に入っただけで,入ったこと

 によって,われわれが日常のわづらわしさから解放さ

 れ,文化的ムードにひたれるよう,図書館の環境を魅

 力あるものにしなければならない。

表9    県立図書館利用調査    昭和40年3月1〜6日実施

  回答内訳 一般(男41人,女15人) 56人  学生(男14人,女21人) 35人  計 91人

質問事項  ―般 学生  
合計
1) 2階の公開図書の利用について伺います。    
 a)見たいものは大体ある。 23 3 26 1 7 8 34
  まにあわないのでカードで調べる。 10 4 14 9 10 19 33
  その他 2 2 4 4 4 8 12
 b)たびたび借りる。 17 9 26 11 14 25 51
  毎度借りてる。 13 3 16 1 1 2 18
  一度も借りたことがない。 3 2 5   5 5 10
2) 利用種別   
 哲学 4 1 5 3 3 6 11
 歴史地誌 8 2 10 2 4 6 16
 社会科学 19 2 21 9 12 21 42
 自然科学 11 3 14 7 4 11 25
 工学工業 6 - 6 2 - 2 8
 産業 4 - 4 2 - 2 6
 芸術 15 6 21 7 7 14 35
 語学 2 1 3 5 6 11 14
 文学 20 11 31 7 11 18 49
 児童 2 - 2 - 2 2 4
3) 新着図書について
 a)新聞,雑誌等に紹介されているもので読みたいと思つたものは大体
  ある 15 8 23 7 12 19 42
  ない 14 4 18 5 2 7 25
  その他 2 1 3 1 3 4 7
 b)こんなものは入れてほしい。 12 5 17 9 7 16 33
1) 「図書」については次のようであった。
随筆・教養もの。法律関係の改訂版。社会科学関係で日常の話題となるもの。建築工学,参考図書,芸術,医
学,科学,教育,社会福祉,推理小説,他に具体的に書名


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